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第581回 長期休暇の過ごし方に変化
(2013年08月05日)
夏が過ぎると、また国慶節の長期休暇がやってきます。「今度の休み、どうするの?」は最近休暇前に人々が交わす常套会話。年年発展変化する中国社会を背景に、長期休暇の過ごし方にどんな変化が表れているのか、今年の春節を例に分析してみましょう。
春節期間の総旅客数は5年前(2009年)の23.2億人が2013年は34億人に増えました。これまで春節と言えば帰省ラッシュ。でも、一人当たりのGDPが3000ドルを超えた今、帰省客に加えて登場したもう一つの主力軍が観光客。5年前の1.09億人が2013年には2億人を超え、前年比では15.1%増加しました。全国39の主要観光都市の統計では、日帰り客が延べ6344万人、宿泊客は延べ1299万人となっています。
2013年の休日をどう過ごすか、人民網強国論壇が行った調査によると、回答者の6割以上が観光を考え、12.3%が海外旅行を念頭に置いており、その予算は半数近くが収入の5%以内とのこと。海外旅行は現金携帯額が5000ドル、人民元なら2万元までとなっています。春節前にはタイ・韓国・ロシア・アメリカ各国のビザ情報が掲載されましたが、残念ながら日本は未掲載。現在の政治関係を反映してのことでしょう。
今年の春節で最も問題になったのは鉄道切符の購入。34億人の旅客に対し、鉄道の消化能力は6.59%しかないのですから、その逼迫ぶりがわかろうというもの。“一票難求”は流行語にもなりました。取りにくいため何重にも申し込む、これが大問題に。北京では毎日のキャンセルが3.1万枚、上海でも1万枚を超えるというのですから尋常ではありません。春節前3日間のキャンセル量は全国で何と46万枚!しかもぎりぎりまでキャンセルに行かない点も混乱の原因になっています。このため、いかにして切符を手に入れるか、パソコンを使った様々なあの手この手が駆使され、取得代行業が大流行です。
春節の帰省についても変化が表れています。帰省するとお土産や親族へのお年玉“圧歳銭”が大変な負担に。加えて若者の場合は、一族から、「結婚は?」「子供は?」「マイホームは?」と攻め立てられるため、帰省しない若者が増えています。一人っ子の場合はもっと深刻で、どちらの実家で正月を過ごすかで大揉め。正月の挨拶をツイッターでする人が急増した今年の正月ですが、来年以降、どういう変化が現れるのか注目されています。