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第593回 物流に関する話題−その1:宅配便
(2013年10月28日)
2年前に宅配便関係のコラムを書きましたが、その後の発展は一段と目まぐるしい様相を呈しています。
2012年1月に開催された国家郵政局2012年工作会議の席上で、馬軍勝局長は宅配市場を外資に開放する方針を示唆し、「申請を受け付け中」とコメントしました。この背景にあったのは供給が需要に追い付かない現実(同時点で国内業者は7500社、2011年取扱量は前年比56%増の36.5億件、一日の最高取扱量は1800万件)で、特に電子商取引の急激な発展に対し後手に回り、顧客側から様々な不満が噴出していました。サービスに優れた外資の導入は「オオカミを引き入れて業界の質の向上を」と言う意図の表れでもあります。
同年3月、国家郵政局と商務部が連合で<宅配サービスとネット販売の協同発展に関する指導意見>を発し、宅配サービスの規範と電子商取引関連の各規範との整合性を高め一体化を促進するよう、7項目の政策を提起しました。これを受け、5月1日に努力目標としての宅配サービス国家基準を施行、外観に破損がある場合、受け取りサインは中を検めてからでよいこと、本人以外に勝手に委託受領してもらってはいけないことなどが明記されました。
こうした取り組みをしている間も取扱い量の増加は50%以上の増加率を維持、例えば、同年11月11日の掏宝天猫による宅配発送量は8000万件を超え、12月12日には1億5000万の顧客が掏宝で買い物をしました。2012年の宅配総量は57億件に達し、いかに顧客の信頼を勝ち取るかが急務になりました。2013年1月には宅配業者116社が業務上の問題から業務許可証を取り消され、3月には交通運輸部が修訂版<宅配市場管理規則>を施行、荷物を預かる時の契約条項の確認や保険などによる対策について言及、宛先不明の場合の返却義務なども明記されました。
2013年上半期、業務量は遂に前年同期比60.6%増となり、業務収入も629.8億元と34.5%増えました。また、郵政事業全体に占める割合も3.7ポイントアップして51.7%と過半数を占め、重要度は増すばかりです。7月から広東省は乱暴な仕分けに最高3万元の罰金を科す<広東省宅配市場管理規則>を施行しましたが、国家郵政局が発表した第3者評価による2013年上半期の庶民満足度は76.5点、前年よりわずか2ポイントアップに止まりました。