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 第606回 都市化の概念の多様化—その1—

(2014年02月10日)

ここ数年、都市建設がホットなテーマになっています。スマートグリッドからスマートシティへ、そしてインテリジェントシティにナレッジシティ、デジタルシティと言った都市の現代化建設という側面もあれば、李克強首相が提唱する内需拡大で経済発展を図る政策に沿った、消費を喚起するための都市化もあります。これらの要素を内包しつつ、今、都市化関連の記事・論説が人民日報の紙面に豊富に登場しています。広義の都市化には、①従来型都市の改造と未来型都市の建設 ②農村の都市化(農民工の市民化と農村の町化)③都市と農村の結合という3つの側面があります。今回は、その内、②の農村の都市化を取り上げましょう。まずは、2012年秋の一八全大会前の1年間の論調をトレースし、次に大会以後現在までの議論の進展振りを探ります。 
2011年、中国の都市人口は6億9097万人と総人口の51.27%に達し、初めて過半数を突破した、と報じられましたが、そこには半年以上都市に居住している農民工も含まれており、中国の都市化の持つ様々な問題の分析が行われました。政治協商会議頼明常務委員は、
「最大の問題は欧米諸国が移民によって人口圧力を軽減しつつ、広い国土で100年以上かけて都市化したのに対し、中国は居住に適した面積が狭く都市化が速い」と指摘(2012.1.18)。
“城中村”「都市内農村」が76を数える雲南省昆明市盤竜区の呉涛書記は、「急速に進む“空間の都市化”と停滞する“人の都市化”」=“半都市化”と定義し、土地権・戸籍・行政管理方式が農村スタイルの“城中村”は都市による消化不良だ、と断じました(2012.1.19)。  
社会科学院研究所の李培林所長は、都市化は「工業化を引き継ぎ、我が国の経済社会の発展を推進する巨大なエンジン」であり、工業化・都市化・市場化を「すでに中国社会の変化を牽引する三台の馬車」、都市と農村の結合による二元構造の打破を「発展の新しいテーマ」と位置づけました。そして、都市化には①大量の農村人口が都会に ②都市の郊外への拡大と都市群の出現 ③逆都市化(市民が非農業従事者として農村や町へ流入→農村の復活) という3段階の発展プロセスがあり、「目下の中国は都市圏快速鉄道の整備で1時間生活圏が形成され、都市群が出現する第二段階に突入した」と分析しました。その上で、今、直面している様々な『两难』「二つの困難」を次のように提示しました。

三瀦先生のコラム