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 第607回 都市化の概念の多様化—その2—

(2014年02月17日)

様々な『两难』とは
①「若い農民工の都会在住願望」対「子女の教育、医療と老後の不安」の『两难』
②「安すぎる農産物価格による低収入」対「価格上昇が都会の生活を直撃」の『两难』
③「土地需要と価格高騰による経済的貢献」対「耕地不足で食糧政策危機」の『两难』
④「不動産業が経済成長を」対「住宅価格高騰が住民に不満」の『两难』
同年2月、中央党校の「中国城镇化发展と都市運営」では、河南省開封市の「資源結合、産業と都市の融合、都市運営」の開発経験を都市運営の新モデルとし、「政府が主導、市場が主体、社会が運営」する多元化経営モデルによる経済・社会・環境効果の統一実現が提起されました。2012.3.13付「城镇化道路怎么走」は土地問題を取り上げ、農村における土地の集団所有制は変えずに工業化・都市化による土地に関する恩恵を農民に、と農村と都市の土地の“同地同権同価”の実現を、また、都市化資源を小都市(県城や中心鎮)へ投入、県域経済を支援して近隣の農民に雇用を図るなど、一部産業の中小都市への移転により、大都市が牽引し中小都市が支える都市化の枠組みを形成するよう提唱しました。
2012.4.5付「努力实现高质量的城镇化」は冠水、道路の陥没、水の汚染など“都市病”集中出現期だとして、都市化を「生活と商業に適し、交通手段は低炭素で環境に優しく、伝統文化を伝承し、一人一人が都市化の恩恵を享受できること」と定義しました。また、都市化安定発展期の東部と都市化加速期の西部など地域に応じた都市化の必要性も指摘しています。
2012.10.17付「积极探索城镇化新路」では、「都市化の重要な内容は農民を市民にすること」として、都会で暮らす失地農民と農民工への対策として、前者向けには合理的な土地代金の取得、生活状況の改善、職の提供を、後者向けには市民と同等の公共サービスと戸籍制度改革の推進を提案しました。また、“以工促農、以城帯郷、城郷互動”即ち都市と農村の一体化と共同繁栄を説き、公共サービスの一体化、都市の工業資本・技術・人材を農村資源とドッキング、新型工業化と農業現代化を総合的に推進、水道・電気・道路・天然ガス・通信などインフラの一体化による農村の生活条件の改善、村への政府資金投入保証メカニズムの確立も提案しています。次回は2012年末の経済工作会議以降の議論の展開を。

三瀦先生のコラム