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第623回 自動車市場、新しい動き—その1−
(2014年06月09日)
2013年に販売台数が2198.41万台(前年比13.87%増)と初めて2000万台を突破した中国市場。生産台数も2211.68万台(前年比14.76%増)と共に記録を更新、5年連続で世界一の座を占めました。
こういった中、尖閣問題などの影響を受けていた日系メーカーも2013年後半には顕著な回復傾向を示し、日産が新車販売台数の通年で126.62万台(前年比17.2%増)、トヨタは91.75万台(同9.2%増)、ホンダ75.69万台(同6.4%増)と過去最高を記録、乗用車の国別シェアも、年間では16.4%とドイツ系の18.8%に一歩譲ったものの、11〜12月はトップを確保しました。こうした勢いを背景に2014年2400万台((前年比10%増)が見込まれる中国市場をターゲットに、各社とも今後へ向けた意欲的な計画を立て、日産は140万台突破を、トヨタは110万台突破を、ホンダは90万台突破を計画、スズキやマツダも生産・販売強化に邁進しました。では、その後の2014年5月までの動きはどうだったでしょうか。主要三社を例に挙げてみて見ましょう。
2014年1月に再びシェアトップをドイツ系に奪われた日系メーカーでしたが、2月には日産が7.19万台(前年同月比55.6%増)、トヨタ5.19万台(43.1%増)、ホンダ4.86万台(27.6%増)と、前年の反日デモの反動とは言え、まずまずの回復ぶりを見せました。3月に入ると、日産11.59万台(26.0%増)、トヨタ9.04万台(19%増)に対し、ホンダは5.99万台(2.0%減)で、4月も、日産11.85万台(14.7%増)トヨタ8.58万台(12.4%増)に対し、ホンダは5.84万台(3.6%減)と明暗を分けました。
ところが、5月に入ると、日産10.61万台(3.1%増)、トヨタ8.11万台(2.7%増)と急ブレーキがかかったのに対し、ホンダは6.03万台(9.4%増)と逆転現象が起きました。国別シェアも4月はドイツ勢の21.4%に対し、日本勢は16.1%と20%ラインを回復できず、劣勢が続いています。日系各社の戦略は、他の外国勢とそれを迎え撃つ中国企業の動向はどうなっているのか、また、中国市場のニーズにはどんな変化が起こっているのか、コスト競争、購買層の変化、環境問題も絡めた政府の政策等は次回に。