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 第626回 様々な行政改革−その1−

(2014年06月30日)

本コラム579号(2013.7.22)では、李克強政権スタートと同時に採択された2013年3月の第12期全人代<国務院機構改革と職能転換プランに関する決定>の「市場と社会と地方」に向けた権限委譲を骨子とする「奉仕型政府」建設の内、主要組織再編を中心に紹介しましたが、負けず劣らず大事なのが行政の中身と取り組む姿勢の改革で、これに関しこの1年どういう動きがあったかを概観してみます。
その第一は権限の削減・委譲・簡素化です。これには各種の縛りを減らし、手続きをしやすくし、社会を活性化させる働きがあります。キーワードは“转变职能”(なんでも行政が管理するという考えの転換)と“依法行政”(法に基づく行政)で、まず精力的に取り組んだのが許認可権の削減です。3月の全人代でおよそ1700余りある許認可事項を3分の1以上削減する意向を明らかにした李克強首相は、5月の<一連の行政許認可事項の取り消しと権限下放に関する国務院の決定>でまず133の対象許認可事項を発表しました(同年12月と2014年2月にも追加項目を発表)。その特徴としては、エネルギー・交通・都市インフラ整備など国有企業がほぼ独占していた分野や観光・文化事業分野への民間活力の導入、経済構造のモデルチェンジやグレードアップの促進などが挙げられます。従来、行政許認可事項がいかに多かったか、人民日報2013.6.17付が示した1539社を対象とした調査統計によると、政府に対する許認可申請事項は平均17.67項目、審査期間最長項目は平均171.35日、最高で1500日(4年以上)もかかった、とのこと。別の統計では、一つの新プロジェクトの認可には27部門、50の手順が必要で、6〜10カ月はかかったとも。その弊害が容易に察せられます。
行政による様々な費用徴収にもメスが入りつつあります。2013年11月、酒類卸売許可証代・農作物種子検査費用・社会保障ICカード代などが無料になり、2013年の廃止項目は347に達しました。北京ではこれまで、企業が登録しようとすると、手続き関連費用が8000元かかったのが30元で済むというのですから、零細企業にとっては大幅な負担軽減になります。
2013年末の18期三中全会では行革の更なる推進が確認されましたが、その具体例の一つが12月に打ち出された<政府が許可する投資項目目録>です。その内容やその他、各地・各部門の動き、更には庶民との関わりなどはまた次回に。

三瀦先生のコラム