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 第628回 伝統的祭日と庶民生活

(2014年07月14日)

春節からもう5ヶ月が過ぎようとしています。習近平政権になって、贅沢を戒める運動が盛んにおこなわれる一方、ITの普及、交通の発達など様々なツールの登場と経済の発展を背景に、正月の過ごし方、ひいては長期休暇の過ごし方全体に大きな変化が起きています。1今年春の春節を例にその変化を見てみましょう。
まず第一に挙げられるのが贅沢の戒め。高級品の贈答はお上の禁令に触れる為、閑古鳥。福建省福州の商店街では、春節前4日間の高級酒の売れ行きが前年比70%減、贈答用高級海産物も50%のダウン。浙江省では白酒の値段が30%も下がり、在庫の山。また、各地で国有大企業や官庁の豪華な忘年会が無くなり、高級レストラン前は公用車の姿が消えて売り上げが軒並み大幅ダウン、慌てて大衆化路線へ転換し、四川省成都では、以前1テーブル1500元以上したコース料理に666元コースが登場、近年、高値に庶民の口に入りにくくなっていた天津の“狗不理”も大衆化路線に転換しました。大気汚染の影響をもろに受けたのは爆竹。湖北省武漢市の調査では、中心地区4000戸のうち74.5%が爆竹禁止に賛成、北京でも使用量が前年比で40%近く減少しました。その一方で、大衆化消費・文化レジャー消費、情報消費が消費の主役に躍り出、1/31〜2/6の正月7日間の全国小売飲食販売量は前年比13.3%の伸びを示しました。ネットを使った挨拶やネット消費も盛んになる一方です。
春節の過ごし方にも変化がみられます。春節と言えば帰省の民族大移動が引き起こす輸送問題。春節の旅客輸送量が1億人を超えたのは1979年ですが、1994年には10億人を突破、2006年には20億人、2012年には遂に30億人を突破しました。そこで今もてはやされているのが“高速鉄道”ですが、チケットの購入が至難の業。ボランティアによる購入サービスも登場する中、今年は携帯の12306で情報も取れるし購入も可能になり、ユーザーはあっという間に2000万人を超えました。バイクによる帰省も増えています。広西壮族自治区の梧州市では、春節中に同市を通過する40万台ものバイクにサービスステーションを設置しました。
春節に海外旅行を、という人も増え、2014年は団体出国人数が472.5万人に達した一方で、伝統的な帰省に対し帰省恐怖症が出始めました。帰省すると「結婚しろ」と説教されるのが怖い、土産やお年玉の費用が掛かりすぎる、と帰省しない若者も増え始めています。

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