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 第六十三回  税関改革

「税関の通関に手間取り、部品が不足。工場の操業がストップして毎月100万元 以上の損失だ。」「運送トラックが税関で何時間も待たされ、一日一往復しかでき ず、非効率も甚だしい。」そんな従来の中国税関も、今や経済のグロ−バル化に直 面、このままでは、経済発展のネックになりかねないと、電子技術を全面的に取り入 れる一大改革に着手し始めました。即ち、「すばやく便利な通関」(1回の申告、一回 の検査でOK!)、「税関・企業管理業務連携」(管理情報の共有化)の実現などを 柱とした数々の改革の実行です。  
その一つが2000年から始まった「三電プロジェクト」 。迅速な輸出の確保と企業の在庫ゼロの要求を満たすために、輸出入貨物の検査申請、生産地証明、検査検疫書類の 送付に電子システムを導入するもので、2002年1月には既に全国1万4千社が、 江蘇省では5月の時点で2010社の輸出企業中95%以上がこのシステムに参画して います。 深圳税関で始まった"無紙通関"も、2002年3月、更に上海、青島など7つの税関で 実施されるなど全国へ広がっています。大連では3社のA類(優良)国有大企業が大連税関と"無紙通関"合意書を取り交わし、課税、証明、法定検査検疫対象外輸出貨物 の"無紙通関"が実現しました。優良企業に対する通関優遇措置は各地で採用され、広 州税関では広東北電、南方航空、風神自動車など10数社が優遇対象になっています。
上海における"大通関"は、税関、検査検疫部門、対外貿易、外国為替、交通、金融、 税務など通関に関わる一連の業務を総合的に処理するもので、2001年8月、浦東 に国際速達貨物監督管理センタ−が落成、それまで1〜2日かかっていた通関が2時間に 短縮されました。上海では、更に2001年11月から、貨物到着前に検査申請、通 関申請、運搬車両の手配ができるシステムもスタ−ト。企業のコスト削減に大きく寄 与しました。
2002年12月11日、地方の税関申告協会や業者、業務員が自発的に組織した中 国税関申告協会が北京に設立され、一致協力"大通関"を推進することになりました。
 また、国税局と税関総局は、2002年6月から全国一斉に税関電子法執行システ ム−税金輸出還付システムの推進を決定しました。迅速な還付は企業にとって資金流 動速度を速めることになり、これまた一つの朗報と言えましょう。

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