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 第644回 社会主義法治—その2−

(2014年11月10日)

行政訴訟における“立案难”「受理してもらえない」、“审理难”「審理の妨害」、“执行难”をどう解決するか、は避けて通れない問題です。“執行難”の解決にネット世論などが一定の寄与をし始めている面もありますが、そういったブロガーに対する弾圧も目立っています。
根本的な解決はやはり制度面からの保証であり、地方の裁判所が現地の行政機関の制約を受けにくい、即ち、裁判所に関わる様々な便宜や裁判官たちの生活が脅かされないような環境を整えることが不可欠になります。その点から、行政区画と連動しない裁判所の配置や、原告側に裁判所を選ぶ権利を付与すべきだ、といった意見も出ています。
“红头文件”(行政機関が不特定対象に対して制定・発布し、繰り返して適用できる行政規範的文書)の扱いも問題になっています。2014年4月2日付人民日報『新视野』欄の『“红头文件”が違法な時はどうする?』と題する記事は冒頭で、「現行行政訴訟法第2条では『公民・法人・その他の組織は、行政機関やその職員の具体的行為がその合法的権益を侵犯した場合、本法律に照らして人民法院に対し訴訟を起こすことができる』とある。この規定は、事実上、規範的文書などの抽象的な行政行為は訴訟の対象外としている。すなわち、行政機関の行政行為が公民の合法的な権益を侵犯した時、公民は訴訟を起こすことはできるものの、そういった行政行為を可能にした規範的文書自体を訴えることはできない」。と綴り、また、「“红头文件” は非法律文書だが、実際には、“红头文件”に依拠して行政処罰や営業許可の取り消しなどが行われており、“红头文件” は社会生活に密接にかかわっている」(沈巋北京大学法学部副部長)という解説も紹介しています。 
この記事では、“红头文件”が違法な場合、いったい誰が取り消すのか、についても論じています。まず、「審議中の改正案では、具体的な行政行為に対して訴訟を起こす場合に、規範的文書に対しても一括審査を求めることができる。人民法院は審理の過程で規範的文書の違法性を認識したら、具体的行政行為の合法性を認定する根拠とせず、管轄機関に送付して法に基づいて処理させる、とある」と紹介し、更に「庶民が“红头文件”それ自体について直接訴訟を起こし、裁判所が直接判断を下すことはできないのだろうか。私はそれに賛成だ。いつかその日が来ることを」いう国家行政学院胡建淼教授)の見解も掲載しています。

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