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第648回 庶民生活トピックス−その1−
(2014年12月08日)
改革開放が始まって36年、庶民生活にも大きな変化が生じています。最近目につくトピックスをご紹介しましょう。
貧富の格差が問題になっていますが、中間所得層の増加で消費生活がクローズアップされているのも事実。しかし、成熟した消費社会へのプロセスには様々な問題が生じます。最高人民法院が2014年3月に出した<2010-2013年人民法院消費者権益保護状況>によると、2013年に人民法院が処理した民事案件は12万8,198件、同年に商工部門が受理した苦情は101万6,000件、中国消費者協会が受理した件数は55万件に上っています。こういった不満に対する対策としては、例えば、レストランが自ら最低消費額を設定するなどと言った勝手な基準設定が禁じられたり、ネットショッピングについても、消費者は、7日以内なら無条件に返品できるようになりました(いずれも2014.3.15)。
一方で、庶民の生活改善に関する様々なニュースも伝わってきています。食を何より重視する中国人、安くてうまい行政機関の食堂に対する嫉妬解消へと、役所の食堂を庶民に開放する動きも広まっています。雲南省昆明の機関食堂では肉類1品、野菜類2品のおかずでわずか6元、肉類3品、野菜類2品でも10元、しかもご飯お代わり1杯と漬物、スープは無料。また、黒竜江省ハルビン市では、日常的に食事やトイレに不便を感じている3万人余りのタクシー運転手用に109軒の「タクシー運転手用食堂加盟店」を設置しました。トイレと言えば、街を歩いていてトイレ探しに困った経験は誰にもあるでしょう。北京市は2014年、<公共トイレ建設基準>を改定し、女子トイレの整備に重点を置いて、男子トイレとの比率を1:1.5とし、また、第3のトイレとして、身障者・老人用のトイレ整備にも乗り出しました。また、トイレを探しやすいように携帯ソフトで容易に検索できるシステムの導入も図っています。
便利さの追求で話題になっているのが携帯による順番待ち。以前ですと何を待つにも長い行列で長時間またされるのが普通でしたが、携帯の普及で、中国でも、例えばレストランの順番を待つのに“微信”を使って順番どりをすることが可能になってきました。その一方で、タクシーの呼び出しは携帯が主流になり、手を挙げて拾えない苦情も出ています。