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 第663回 読書の勧め

(2015年03月30日)

「2013年に深圳がユネスコから世界で唯一の全市民読書モデル都市に選定された」という記事が、昨年、人民日報に掲載されました(2014.1.5)。それによれば、2000年から毎年11月に「深圳読書月間」を実施するなど、総合的な読書活動を行い、こういった文化活動への参加者は、今では延べ1千万人に達し、長期的に著述に挑む者も1.5万人を数えるとも。
2013年の第11回全国国民読書調査によると、国民の読書率は57.8%と前年比で2.9ポイント増加し、一人当たりの紙媒体による年間読書量は4.77冊で、デジタル図書の2.48冊を依然上回ってはいるものの、接触率となると、デジタル方式が50.1%と初めて過半数を超えました。ちなみに、携帯での一日あたりの読書時間は前年比5.18分増加し、21.70分になりましたが、ネット時代になって、成人の読書時間は14分を切り、一方、ネットへのアクセスは50分を超えています。一方、14−17歳の未成年者の課外読書量は前年比1.01冊増え、8.97冊と、青少年に対する近年の読書普及活動が奏功している結果が出ています。
2014年4月、世界読書デーに合わせ、北京では<2014“書香中国”シリーズ読書活動兼“書香中国”第4回北京読書シーズン>が幕開けし、全国各地の33軒の“書香の家”が表彰されました。表彰セレモニーでは、各地から参加した3000名の朗唱者が『論語』『師説』『岳陽楼記』『少年中国説』などを朗誦しました。また、この日に合わせ、14大学学長が推薦する図書なるものも発表されていますが(人民日報2014.4.23)、その中には費孝通の『郷土中国』や馮友蘭の『中国哲学史』、また、孔子に関する書籍や金庸の小説などの他に、キッシンジャーの著作やビッグデータに関する本も含まれています。こういった読書活動への参加者は公称で年8億人とも言われています。 
上述のデータが示すように、学校での読書活動への取り組みも盛んになっています。国家新聞出版広電総局は5月、「出版社百社を選出し、全国各地の1000ヶ所の小学校と提携して“百社千校書香童年”読書活動を推進する」と発表しました。具体的には、優秀図書の寄贈、有名作家の訪問、読書感想文コンテスト、経典の朗唱などで、同年9月まで活動が行われました。上海からの報告では、2014年に市民が最も愛読したのは文学作品で、70%以上の人が「紙媒体での読書が最も効果がある」と答えています。

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