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第668回 起業促進急ピッチ−その2—
(2015年05月11日)
2014年5月の<大学生起業指導計画>では大きく分けて2つの側面のサポートが提起されました。税制面では、個体企業経営者は卒業後3年間、本来納付すべき税金から、営業税・都市擁護建設税・教育費付加・個人所得税の順に年8000元を上限に(場合によっては9600元まで)控除され、資金面では、大卒者がネットビジネスマーケットに出店する場合の少額担保ローンや手形割引援助政策を進め、同時に各銀行も大卒者の起業時の実際のニーズに応じた金融商品やサポート方法を積極的に模索し、ローンを借りやすくするために審査プロセスを改善する、といった内容になっています。勿論、これ以外にも、国が進めている小型・微型小企業に対する優遇政策や雇用促進関連優遇政策も享受できます。
起業に関する指導にも力が入れられています。大学生が起業する際には、大学の「創業園」が起業訓練や起業登録手続きを無料でしてくれるところもあります。これならば、資金の無い貧乏学生でも起業が可能になります。山東省のある地方政府は起業者向け訓練センターを開設、タオバオに店舗を開設する手助けをしています。同省では2014年に「各市に2015年末には創業大学最低一つを設立する」という<省全体に起業大学を設立することに関する意見>が出されており、同大学は民間資本を積極的に導入、政府主導の下、学歴の無い起業者の教育・訓練・サポートに当たることになり、手始めに起業大学を20選び、300万元の援助資金が交付されます。広西チワン族自治区では既に172ヶ所の起業基地が建設され、2014年5月までに累計で1200万元を投入しています。
湖北省でも時を同じくして<大学生起業誘導計画実施に関する意見>が出され、2017年までに5万人の大学生の起業を助け、延べ10万人に起業訓練を行い、大学に500名の起業訓練教師を養成する、という目標を打ち出し、さらに7項目にわたる財政上の援助や税の減免措置も打ち出しました。この他、河北省も2014〜2016年の間、失業者や大卒者の自主起業を援助する税額負担軽減策を、吉林省は小型・微型小企業の雇用に3〜5万元を援助する方針を打ち出しました。こうした努力が始まったことで、上海市では「2014年、大学生の自主起業が前年比で70%増加した」と報告されていますが、起業育成システムの構築はまだ端緒に就いたばかりで、社会の各方面の力を結集した総合的な環境整備が渇望されています。