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第669回 ボランティア活動の広がり−その1−
(2015年05月18日)
2014年2月、中央精神文明建設指導委員会は<ボランティア活動制度化推進に関する意見>を打ち出しました。中国で最初に社区(地域コミュニティ)でボランティアチームが結成されたのは1989年の天津市和平区新興街道ですが、近年、中国では様々なボランティア活動が急速に活発化しています。
きっかけは北京オリンピックや上海万博といったイベントで、この流れは、2014年末の北京APECの開催などにも受け継がれています。また、四川大地震では災害救助ボランティア活動が注目され、その面での発展の糸口になりました。その後、ボランティア活動は、高齢化社会における老人介護、貧困支援、西部地区に対する教育支援・医療支援・農村留守児童支援、身障者やエイズ・血友病患者などに対する支援、環境の浄化や緑化の支援、地域コミュニティでの様々な貢献、文化活動、更には春節帰郷時の鉄道チケット取得支援など一気に広がっています。政府にとって、こうした動きは、政府だけでは到底負担しきれない問題、例えば高齢化社会における老人介護の問題の解決には必要不可欠であり、健全なボランティア制度をどう確立するかは避けて通れないテーマになっています。
「雷鋒に学べ」運動と結びつけ、中国独自のボランティア制度を、という上記<意見>はまず、都市や農村の社区(地域コミュニティ)・ボランティア組織・公益慈善組織・社会奉仕団体などによる一定の基準に沿った志願者登録制度の確立を提唱し、併せて、本人の地域移動によって登録が失効しない配慮も求めています。その他、志願者に対する評価や表彰といったインセンティブメカニズムの整備、政策や法律によるバックアップ、ボランティア活動参加への呼びかけとともに、管理・指導・チェックの強化も掲げています。
当局は、社区における制度化の意義を、「社会サービスは益々“社区”化しており、基本的サービスは社区にある。ボランティアサービスと社会対策の革新を関連付け、ボランティアサービスにおける社区の主導滝役割を十分発揮させる必要がある」と捉え、<意見>に基づき2014年3月に発表された<社区ボランティア活動方案>では、「志願者証」発行規定、活動記録記載に関する規定、「星級認定制度」、累計活動時間による表彰・称号授与規定などが具体的に提起されました。その後の展開と各地の対応は次回に。