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 第674回 鉄道整備で全国の物流に変化−その2−

(2015年06月22日)

中西部地区に対する重点的な整備の具体的内容を見てみましょう。
広西チワン族自治区では2013年12月に高速鉄道五路線、一二本の列車が運行を開始、高速鉄道を有する全国初の少数民族自治区となりました。2014年4月には、同自治区と広東省を結ぶ南広鉄道(南寧-広州)の自治区内区間が営業を始めましたが、同自治区は北部湾に臨み、東南アジアと接する地区であり、北部湾経済区開放開発の国家戦略への昇格と、中国−ASEAN自由貿易区の成立と発展につれて、その重要性は年ごとに高まっています。
西北部では2014年12月に蘭新鉄道第2複線の運行が始まり、これにより、ウルムチから蘭州までが従来の16時間から9時間に短縮されました。青蔵鉄道の延長であるラサ-シガツェ間全長253キロの建設も、2014年7月に試験走行を行い、8月には商業運転を開始しました。
内陸部では、上海−昆明高速鉄道の南昌−長沙間が2014年9月に開通、長江デルタ・珠江デルタ・?江デルタ(福建省)の真ん中に位置する江西省にとって、東西南北に通じる十字高速鉄道網が完成、今後の発展への貢献が見込まれます。
貧困を謳われた貴州省も、初めての高速鉄道、貴広高鉄(貴陽−広州間)全長857キロが2014年12月に運転を開始、従来の20時間が4時間に短縮されました。これにより西部地区は機敏に海に出るルートを与えられ、同地域の物流に大変革がもたらされるでしょう。
四川省は2015年中に鉄道建設をさらに大幅に進め、南北縦貫、東西連結、長江と海の接続、華南と華中の接続、西南と西北の連絡、中央アジアと東南アジアの交流といった各種コンセプトを総合的な目標として位置づけ、その中心に位置する地域として積極的な役割分担を名乗り出ています。省内では2014年12月に成綿楽(成都−綿陽−楽山)高速鉄道314.04キロが正式に開通し、徳陽と眉山を含めた5都市が1時間交通圏を形成しました。
こうした近隣の都市を結ぶ都市間鉄道の整備は、珠江デルタや京津冀地域で先行し、都市群の形成、協力発展を促していますが、新疆ウイグル自治区初の都市間鉄道として2014年5月に「北疆の星」が運行し始めたように、中西部地区でも都市間鉄道の整備が今後精力的に勧められるでしょう。

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