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 第675回 ネットビジネス新時代

(2015年06月29日)

デジタル世代にとってiPhoneでネットショッピングは当たり前。中国ネットビジネスの市場規模は2014年には2兆8211億元と小売総額の10%を突破しました。こうした動きは農村にも広がり、2015年6月時点でネット向け商品製造販売用農村店舗は7万軒に達し、ネット通販の普及で全国200ヶ所にタオバオ村が出現しています。
こうした中で、B2C市場シェアの巨人と言えばアリババ「天猫」で、2014年9月時点で全体の57.4%を占め、京東商城が21.1%と2位につけています。「アリババ」は個人向けネット通販サイト「タオバオ商場」(現在の天猫)や独自オンライン決済システム「アリペイ」を開設し、2013年には海外向けの「天猫国際」も開設、日本企業(中小企業など)の出店も増えています。2014年11月11日の独身の日(双十一)では0時38分28秒にアリババ取引額が100億元に、最終的には571億元に達しました。
ネットビジネスの今後のキーワードは多角化。アリババは金融業にも進出し、2013年秋には個人向けオンライン資産運用商品「余額宝」を、2014年9月にはアリババ30%出資の浙江網商銀行を設立しました。その他、旅行業、中古車販売事業、タクシー配車アプリ、医療通販などにも進出すると同時に、2014年5月には「阿里雲」香港データセンターをオープン、世界クラウド市場に参入、アマゾンの「AWS」、マイクロソフトのAzureに挑み始めました。ネットソーシャルメディア最大手のテンセントも2014年に華南城ホールディングス(物流施設運営)に出資、証券分野では国金証券とネット金融商品「佣金宝」を販売、医療健康分野でも医療健康ネット企業丁香園に投資するなど多角化を進め、更にポータルサイト「捜狐」の検索子会社に出資してバイドゥの牙城、検索市場に攻め込んでいます。そのバイドゥは2013年に共同購入サイト「糯米網絡」を買収し、一方、[大連万達]や「テンセント」と共同出資してネット通販新会社を設立、O2Oへ対応を急いでいます。O2O対策では、アリババも「高徳」を買収して位置情報サービスを強化、テンセントも「大衆点評」と提携、地域サービスを強化しています。バイドゥは2015年4月に訪日中国人観光客向け広告配信サービス(アドネットワーク)を始め、日本から中国のサイト(60万サイト)にアクセスすると、日本の商業施設や観光施設の広告がみられるインバウンド消費の拡大も推進しています。

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