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 第681回 2014年日中関係総括−その1−

(2015年08月10日)

安倍首相の戦後70年談話(談話)の内容が最後の詰めに入っています。日中関係、日韓関係いずれにとっても、この談話は一つのターニングポイントになるでしょう。中国・韓国両政府も固唾をのんで見守っています。今年に入って日中関係は徐々に改善に向かっていますが、この機会に去年1年間の日中関係の動きを総括しておきましょう。
2014年1月は、前年末の安倍首相靖国参拝を受け、人民日報に掲載された日本関係記事
53本中31本(58.4%)が靖国参拝批判記事で(本数は筆者独自の基準で算出)、これに日中戦争・慰安婦問題・教科書検定・領土問題を加えると87%に達しました。
2・3月は全人代絡みで内政の季節に入りますが、両月合計52本中靖国関係は11本(21%)、上記項目も加えると34本(65%)に達しました。特筆すべきは、この間に9月3日を中国人民抗日戦争勝利記念日に、12月13日を南京大虐殺犠牲者哀悼記念日とすることが本決りになったことで、10本の関連記事が掲載されました。4月に入ると、全49本から靖国に特化した記事が減る一方(7本)、戦後70年を前面に掲げ、第2次大戦敗戦国として日本の動きをけん制する記事が増加(18本)しました。更に、集団的自衛権絡みの批判記事が6本、中国脅威論の下に進む安倍外交批判記事も4本と目を惹きました。
5・6月は計52本中、靖国関係が0本、大戦絡みも10本と減った一方で、集団的自衛権絡みが13本と逆転しましたが、一般的な日本紹介記事(14本)が最多と、微妙な空気の変化が感じられました。なお、2014年上半期には、アベノミクスに関する記事も合計11本ありましたが、全てアベノミクスを失敗と捉え、日本経済に対する悲観的な見方に終始しています。

三瀦先生のコラム