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 第690回 特殊児童教育への取り組み

(2015年10月13日)

「特殊教育」とは障碍児教育のことで、その対象は盲・聾、知的障碍、肢体不自由、病弱、更に最近ではLD(学習障害)、ADD(注意欠陥)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム-アスペルガー症候群)もその中に組み込まれています。
2014年1月、全国特殊教育工作電話会議で李克強首相は特殊教育の重要性を示唆、各地方政府に<特殊教育向上計画>に真剣に取り組むよう示唆しました。同年7月、政府は<特殊教育向上計画(2014-2016年)>推進に合わせて2014年特殊教育補助経費を2013年比7.5倍相当の4.1億元とし、生徒一人当たりの年間補助額を2016年には6000元(普通学校の約8倍)に引き上げる方針を打ち出しました。
“星星的孩子”(スターチルドレン)とは自閉症児のこと。2015年時点で中国の学齢前児童中60万人がこれに該当しますが、この面で最も先進的な地域が広東省。1997年、イギリスの臨床専門家ストラトフォード夫妻の指導で同省婦幼保険院に「広州揚愛特殊児童保護者クラブ」が設立され、その後、広州市は2002年と2007年に特殊児童教育推進のための三本の文書を用意、2008年には訓練されたスタッフと専門教員作成個別カリキュラムの下、普通学級でともに学習する“融愛行”計画がスタートしました。この成果を基に2012年には市内3〜5校に一校の割合で同システムを導入、専門教員が配備され、更に、毎年400名前後の卒業生のうち高校に進学できる1割の生徒以外は引きこもりになり、家庭の負担が過重になっている状況を打破すべく、2014年、市は<広州市知力障碍者支援就職事業試行方案>を作成、特殊教育学校5ヶ所、中等職業学校11ヶ所に関連クラスを設置しました。こういった取り組みは各地に波及し始め、山東省青島市ではボランティア活動や1000名余りの自閉症児を援助する募金活動が、上海市や吉林省では、自閉症児の能力を引き出し、社会に認知させる、自閉症児絵画展も開催されています。
様々な障害者に対する社会の受け入れも徐々に始まっています。2007年に施行された<障碍者就業条例>では「障碍者の受け入れはその組織の雇用者の1.5%を下廻ってはならない」と規定されていますが、実際には全国554万人の身障者の就職率は低いまま。そこで最近では彼らが職場に融け込むサポートをする就業補助員システムも始まり、企業側からも、決められた仕事に実直に取り組む障碍者の姿勢に対する積極的な評価が出始めています。

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