企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第七回 国有企業改革−その後

3年間の国有企業改革の成果が問われています。今年1月、国家経済貿易委員会の盛華仁主任は、国有企業の改革はほぼ目標を達成した。2000年、赤字国有企業は、合併、非国有化、破産処理等により70%減少、利潤は大幅に増加して2300億元に達した、と発表しました。
 穀物産業が40%、石炭産業が78%赤字を減らし、紡績業が黒字に転じる一方、石油企業は、国際的な石油相場の値上がりもあり、主要三社だけで、前年の3倍になる844億元の利益を計上しました。
しかし、昨年末に行なわれた国有企業1千社に対するアンケ−ト調査では、現代的企業制度に転換した、と答えた企業は32.4%、転換中が39.0%、未だ着手できず、が28.6%と、"任重く、道遠し"の感。人事制度を見ても、競争原理を導入できた企業は49.9%、幹部と一般労働者の区別を廃止した企業は46.9%と、いずれもまだ50%に届きません。
 政府の見解では、現時点での成果は、その48%はマクロ環境の変化によるもので、政府の施策による直接効果は23%にとどまり、企業の自主的努力の貢献度も29%前後とのこと。今後更に3〜5年かけ、再生の見込みが無い大中型国有企業を淘汰するとともに、企業の経営メカニズム、科学的管理を強化する、という方針を打ち出しています。
国有企業改革と表裏をなすのがレイオフされた人々の再就職問題。2001年の第1四半期、全国の国有企業でレイオフされた人の数は653万人で、そのうち93.3%が"再就職訓練センタ−"に入り、その中の99.9%に基本生活費が支給され、1〜3月に33.1万人が再就職した、とのこと。
ただ、レイオフされた人に一般失業者を加えた数は2001年で1400万人にのぼり、農村の余剰労働力が1億5千万人という状況を考えると、決して楽観できません。
政府は私企業や第3次産業に期待する一方、"社区"(地域社会)要員に採用したり、パ−トタイマ−を"非正規就業"(規格外就職)として就職の範疇に組み入れ、雇用規則を定め、保険を整備し、受け皿の1つにしようと、懸命の努力を続けています。

三瀦先生のコラム