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 第701回 映画産業の動向−その1−

(2016年1月5日)

2004年に映画の産業化改革が始まった当時、興行収入1億元の映画はわずか3本、それが10年後の2014年には62本に達し、その過半数に当たる32本を国産映画が占めました。同年に上映された映画は388本(国産308本)に達し、内容もラブストーリー、コメディ、アクションものの上位三者に加え、家族もの、ホラーもの、ファンタジー、時代劇と多様化が進み、同時に映画館も急速に普及して中国で言う一級都市から二〜四級都市へと分布が広がり、その数は2万2000軒を超え、世界第二位といわれる産業規模に達しました。この年の全世界の映画興行収入増加分の4分の3、即ち16億米ドルは中国市場からもたらされましたが、一方で、その内容の質のばらつきや産業チェーンの未成熟も課題として指摘されました。では、次の10年に向けたスタートとなった2015年はどういう動きがあったのでしょうか。
2015年に上映された映画は686本で、興行収入は440億6900万元(国産映画61.58%)と前年比48.7%も増加しました。観客数も12億人を超えています。2015年の興行収入ベストテンを見ると、『捉怪錄』(邦名:モンスターハント)②『港囧』③『夏洛特煩惱』④『煎餅俠』⑤『尋龍訣/鬼吹燈之尋龍訣』⑥『澳門風雲2/賭城風雲2』⑦『西遊記之大聖歸來』⑧『天將雄師』⑨『狼圖騰』⑩『九層妖塔/鬼吹燈之九層妖塔』で、トップの『捉怪錄』の興行収入は24.38億元と過去最高を記録しました。勿論、これらは多くが引き続き上映されていますので、各作品の最終的な数字は大きく変動することでしょう。
この他、5月に中国で日本映画としては3年ぶりに上映された「STAND BY ME ドラえもん」の上映開始後4日間の興行収入が2億3700万元と、従来の中国での日本映画の記録を更新したことも大きな話題になりました。
2015年の動きを順に振り返ってみましょう。まず、春節期間(2/19-24)に封切られた国産映画7作品の中で特に注目を浴びたのがフランスとの合作映画『狼図騰)』(邦名:神なるオオカミ)。人と自然、環境保護をテーマとし、10年以上前にヒットした同名小説を映画化したこの映画は、封切り前はこれほど人気が出るとは予想されておらず、今回のヒットは中国映画の質の向上と観客の質の高さについて、新しい視点を提供したものといえるでしょう。
2015年4月には北京国際映画祭が開催されました。

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