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 第705回 銀行民営化改革−その2−

(2016年2月1日)

2014年7月、民営銀行3行(下記①〜③)の設立が、10月には2行の設立(同④〜⑤)が認可されました。各行の認可と内容、その後の足取りは以下の通り。①深圳前海微衆銀行(広東省深圳市)/[主要発起人]騰訊、百業源、立業/[特色]個人消費者と小微企業へのサービスが中心/2014年12月、開業許可第一号。②温州民商銀行(浙江省温州市)/[主要発起人] 正泰、華峰/[特色] 温州地域の小微企業、個体商工戸、地域住民、県域三農(農村・農民・農業)へのサービスが中心/2015年3月、開業許可第三号。③天津金城銀行(天津市)/[主要発起人] 華北、麦購/[特色] 天津地区の公共業務へのサービスが中心/2015年4月、開業許可第四号。④浙江網商銀行(浙江省杭州市)/[主要発起人] 浙江螞蟻小微金服、復星、万向、金潤/[特色] ネットを通じたネットビジネスに従事する小微企業や個人消費者へのサービスが中心/2015年5月開業許可第五号。⑤上海華瑞銀行(上海市)/[主要発起人] 均瑤、美特斯邦威(Meters/bonwe) [特色] 上海自由貿易試験区内の中小企業へのサービスが中心/2015年1月開業許可第二号。5月正式開業。 
2014年は銀行業民間資本参入史上画期的な年でした。<中国銀行業監督管理委員会2014年年報>によれば、2014年時点で100余りある中小商業銀行における民間資本占有率は既に50%を、村鎮銀行では72%を、農村合作金融機構では90%を突破しています。これを受けて2015年春の全人代政府活動報告では、条件に見合った民間資本の中小銀行等金融機関設立を数量制限なしに推進する方針が打ち出されました。浙江省の台州銀行・泰隆銀行・民泰銀行などは、自主経営、リスク自己負担の条件の下に、中小企業サポートを標榜しています。
2015年6月の<民営銀行発展促進指導意見>はこれまでの実践を踏まえ、独力で経営権を獲得し民営銀行を設立するもよし、現存銀行改革に株式取得などで参画するもよし、農村信用社の改組に参画するもよしと、民間資本の銀行業参入へ様々なルートを開放しました。農村信用社については、2014年12月に既に<民間資本の農村信用社財産権改革参加の奨励と誘導に関する通知>で、民間資本の農村商業銀行の増資、新株発行への参加や持ち株比率制限の拡大(10%から20%)が打ち出されています。昨年末にはさらに民営銀行設立の機運に合わせ、近々<民営銀行の監督管理指導意見>が出されるとのニュースも伝わっています。

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