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 第724回 ブランド−その2−

(2016年6月20日)

1年半前の2015年1月18日、人民大会堂で「大国復興と自主ブランドの未来」をテーマに中国自主ブランドサミット(主催人民日報社他)が開催され、<中国自主ブランド発展調査研究報告(2015)>と、自主ブランド十大指導者及び自主ブランドベスト100が公表されました。また、同年5月1日には、商標登録と審査手順を簡素化した改正<商標法>が施行され、同年中には有効商標登録数が1000万件を突破しました。ただ、数は増えてもブランド価値と言う面では先進国と大きな差がありますが、その差が少しずつ縮まっているのも事実。
外国消費者向け調査で「中国ブランドを少なくとも一つ言えるか」と言う問いに、yesと答えた人が2012年は3%だったのが、2012年には23%に上昇しています。10年前、中国国内で知財権を持つ自前の核心的技術を有する企業は0.03%、99%の企業は特許を申請したことさえ無く、60%以上の企業が商標を持っていませんでした。その点、2015年時点で、世界ブランド500強の中に中国ブランドが29入っているということは長足の進歩と言えます。
同年7月に設立された中国人民大学中国商標ブランド研究院は、中国独自かつ国際的慣例に合致した商標ブランド価値評価基準体系を確立するとともに、公正な審査に基づく<中国ブランド500強><中国業種別ブランド100強>を発表することを掲げています。
企業ブランドや知財権を保護するシステムの強化も進んでいます。2015年10月19日付人民日報によると、同年10月、海口で開催された2015中国国際商標ブランドフェスティバルに於いて“政務和公益機構域名注册管理 中心”から“橙雲平台”が発表されました。「橙雲プラットフォーム」とはネット、ブランド創設、ブランド維持を一体化させた、クラウドコンピューティングとビッグデータによる分析プラットフォームで、企業に集約化されたサービスを提供する“上網宝”、可視化されたデータ管理によるサポートを行う“監測宝” 、権利の侵害など司法上の難題を解決する“維権宝”などの機能を有しています。中国の登録企業3500万社のうち自前のサイトを保有しているのはいまだわずか40%(欧米先進国は90%以上)。クラウドコンピューティングとビッグデータを駆使してブランドに関する厖大な需要と供給をうまくマッチングさせ、ブランドをリスクから守ろうというわけです。
“匠人精神”「職人気質」と言う語が頻繁に登場し始めた今後の中国に期待しましょう。

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