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 第727回 中央アジアとの関係

(2016年7月11日)

“一帯一路”の記事が溢れた2015年。同年6月には新疆ウイグル自治区南部のカシュガルにも一日乗降者数延べ3万人と言うバスターミナルが完成し、パキスタン、タジキスタン、キルギスタンへ向けた7本の国際路線バスや、蘭州・成都・重慶などへ向けた国内長距離バス路線も運行が始まりました。
中国各地から中央アジア、更にはヨーロッパに到るコンテナ輸送列車も続々と運行が始まっています。同年2月には連雲港からアルマトイへ最初の貨物列車が運行、海に接しないカザフスタンにとっては自国の鉱産物などをアジア太平洋地区に輸出する道が開けました。7月には山東省の青島からも、自動車部品や電子製品などを満載した列車がカザフスタンやウズベキスタンへ向けて出発しました。
陸のシルクロードで重要な地位を占めるのが中国と境を接する中央アジアの大国、カザフスタン。両国に跨るコルゴスについては、両国のコルゴス国際国境協力センターの建設が既に着々と進んでおり、様々な分野での協力も始まっています。西欧—ロシア—カザフスタン—中国を通る全長8445キロ“双西公路”(西ヨーロッパ−中国西部)は、そのうち2787キロがカザフスタンを通りますが、公路として使用するためには2 452キロ分が改修を必要としており、各国の企業に混じって、中国水利水建設集団も三区間を落札、建設を進めています。 両国の間には全長1200キロに及ぶ両国原油パイプライン、天然ガスパイプラインA、B、C線などが既に敷設され稼働していますが、2015年3月、両国首相はさらに生産能力・投資協力備忘録と、鉄鋼・非鉄金属関係を含めた総額236億ドル、33件の協力文書に署名しました。電信関係でも、華為が2015年時点でカザフスタン全国に4Gをカバーし終わってており、5000人以上の農村は全て使用可能になりましたし、クリーンエネルギーについても、原子力・風力・太陽熱などでの協力に関する協議が始まっています。
同年8月、北京を訪問したナザルバエフ大統領は、習近平国家主席とともに<全面的戦略的パートナーシップの新段階に関する聯合宣言>に署名、一層の緊密化を印象付けましたが、2015年中に着工したプロジェクトに加え、2016年も10数件のプロジェクトの着工が見込まれており、さらに金融・エネルギー・観光等様々な分野に協力が広まりつつあります。

三瀦先生のコラム