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 第731回 国内原発建設活発化

(2016年8月8日)

2011年の福島原発事故以来、安全検査のため原発の新規着工を停止していた中国が、2015年3月末に遼寧省紅沿河原発5号機建設を開始しました。これは、2014年に政府が打ち出した、東部沿海地区原発建設プロジェクト再始動の方針に沿った最初の案件で、2015年はまさしく中国の原発建設が新たなスタート地点に立った年と言えましょう。
エネルギーの67%を石炭に頼る中国では、大気汚染や温室効果ガスの排出を抑制するには原子力発電が必須、「中国の原子力発電が全体量に占める割合は2.2%、フランスは75%」という数字がしばしば取り上げられる所以です。2014年に国務院が打ち出した<エネルギー発展戦略行動プラン(2014−2020年)>では適宜な東部沿海地区での新規着工と、内陸部での建設に関する研究を提起、2020年には発電容量5800万キロワット、建設中容量3000万キロワットを目論んでいます。関係者の証言によれば、中国の原発装備品製造能力は年産10−12機分、プロジェクト全体の建設能力は年間30−50機分とのこと。また、内陸部での建設も2016年からの第13次5カ年計画初期には着工したい、と述べています。ただ、内陸部の建設については活断層の研究が万全といえるのか、不安を訴える意見も少なくありません。
2015年1年間で見ると、上記の紅沿河原発も含め、原発建設の活性化は目を見張る勢いです。1月には浙江省秦山原発で、拡張工事により9機すべてが送電を開始、総容量654.6キロワットと国内最大の原発基地になりました。10月には広西チワン族自治区で、西部地区初の原発、防城港原発1号機(CPR1000)が通電しました。中国が第三世代技術自主ブランドとして開発した「CAP1400」と「華竜一号」のモデル原発の建設も始まっています。同年5月、「華竜一号」最初のモデルとして、中核集団福清5号機(福建省)に着工許可が下りたことが報道されました。また、12月には同モデルによる防城港紅沙原発二期工事も認可されました。更に、江西省瑞金では世界初の第四世代原発に関するFSが専門家の審査をパスし、2017年には着工予定、とのニュースも入っています。
こういった動きの中で、安全面での配慮は進んでいるのでしょうか。過去の報道と2015年の報道の最大の違いは、安全面での取り組みを中心にした記事が格段に増えたこと。しかし、押しなべて安全性を強調する内容が際立っていることは否めません。

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