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 第737回 最近の地下資源探査状況

(2016年9月20日)

ここ2年ほどの中国資源エネルギーに関するホットなテーマと言えば、経済成長のスローダウンによる資源エネルギー消費の低迷や、環境負荷の高い化石燃料、とりわけ、石炭に対する風当たり、また、対外的にはレアメタルの輸出不振などがあげられますが、その一方で資源の探査は着実に進んでいます。ここでは主に石油・天然ガスに絞って概観してみましょう。
まず石油に関してですが、2011-2014年の新規石油埋蔵探査量は50.1億トンに、天然ガスも3.24兆㎥に達しています。新規発見は主として西部地域や海洋で増加しています。こうした成果を支えたのが急速に進歩している開発技術で、中国石油の第12次5か年計画期間中(2011-15)の関連特許申請数は21766件に上り、四川省、オルドス地方、タリム盆地などで立て続けに1億トンクラスの大規模石油天然ガス油田が発見されています。
陸上では陝西省長慶油田の発展が目覚ましく、2013年には年産石油天然ガス量が5000万トンを突破、現時点では国内最大規模を誇っています。とりわけ、400億㎥近い天然ガスは北京を中心とする華北地方や黄河中流域都市群の天然ガス供給逼迫の緩和に重要な役割を果たしています。中国西部地区は天然ガスの一大供給地であり、すでにタリム盆地からは西気東輸により、15の一級行政区、4億人に天然ガスが供給されていますが、石炭に比べ、大気汚染につながる有害物質の排出が少ないことで、環境汚染防止にも寄与しています。
海上油田では2016年年明け早々「中国石油化学が広西チワン族自治区北海市西南110キロの北部湾海域で日産1264トンに上る良質の石油、7.18万㎥の天然ガスの試掘に成功した」とのニュースが飛び込みました。また、海南島から150キロにある陵水17-2大型ガス田は埋蔵量が1千億㎥を超える大規模なものとわかりました。南シナ海の豊富なガス資源はその70%が深海にあり、中国は深海石油天然ガス開発能力を大幅に向上させることで、南シナ海を中国の広域天然ガス採掘地区に育て上げようとしています。中国海洋石油は、深海探査旗艦となる<海洋石油981>を含めて57隻の深海探査プラットフォームを擁し、そのうち7隻は水深3000メートルにも対応可能とのこと。
シェールガスも2011年に中国の新鉱物資源に加えられて以来、新規埋蔵量1067.50億㎥が確認されており、2015年には生産量が50億㎥に達し、2020年には300億㎥が見込まれています。

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