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第七十六回 薬品行政
医療の市場化が進む中、国民の健康に直結する薬品をめぐる問題が急速に顕在化しています。そこで、国は1998年に国家薬品監督管理局を設置、"全国集中統一、省以下垂直管理"を旗印とした薬品監督管理体制の構築に取り組み、その結果、昨年夏までに市レベル352箇所、県レベル1886箇所の行政単位で薬品監督管理機構が産声を上げ、約18000人(8割が大卒)の人員が配置されました。
国家薬品監督管理局がまず取り組んだのが行政と企業の癒着の解消。更に医薬市場の不透明、不公正を是正し、製薬企業の経営内容を厳しくチェックし、また、偽物、粗悪品の摘発に全力を挙げました。ここ数年、<薬品管理法><薬品管理法実施条例><医療機器監督管理条例>などの法律が相次いで制定され、2002年11月には、政府は国民の便に供するため、SDA政府ホ−ムペ−ジで製薬企業、国産、輸入医薬品、医療機器等の薬品監督管理重要基礎デ−タを公表しました(http://www.sda.gov.cn)。更に、1998年から四半期ごとに<国家薬品品質公告>によって新聞に不良薬品とその生産企業を公表しました。
一方、薬品の認証制度整備にも力を入れ、GLP:薬物非臨床研究品質管理規範/GCP:薬物臨床実験管理規範/GMP:薬品生産品質管理規範/GSP:薬品経営品質管理規範を打ち出しました。GMPの認証をパスした企業や工場は1998年の87件から、2002年末には1890件に増え、また、薬品経営許可証の再認定とGSPの併用で、薬品卸売業者は17959社中4694社が淘汰されました。
過去5年間、28万件総額18億元に上る偽薬、粗悪品を摘発、3088箇所のアジトを打ち壊し、4万の無許可営業を取り消しました。政府は更に2003年3月〜9月に かけ、全国的に薬と医療機器に関する犯罪行為特別取締りを実施することになり、国 家薬品監督管理局010-88372260、公安部010-65254722の通報受付電話を開設しました。
最近、多くの薬屋で処方薬と非処方薬が分類して表示されるようになりました。処方薬を買うには医師の処方処方箋が必要ですが、非処方薬は薬剤師の指導で買います。その薬剤師の試験は1994年に始まり、現在8万人弱。2005年には15万人に達 すると予測されています。少しずつ改善が進んでいくことでしょう。