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 第760回 教育現場の問題−その2−

(2017年3月6日)

学校側に関する問題は少なくありません。大学レベルでは、2012年の18全大会以降3年間で、重点大学も含め、100人に上る大学責任者が腐敗問題などで処分されました。2016年には国務院学位委員会の調査で、北京大学・人民大学・同済大学など42の大学の50の大学院などが学位授与の資格なし、と判定されています。
中国の学校の小学校から大学まで共通した弊害は、学長や校長などが個人の思いつきで学校運営や教育方針を決めてしまうことです。浙江省のある中学校では、成績優秀な生徒に対し、一等賞ブタ肉2.5kg、二等賞1.5kgを支給し、その是非が話題になりましたが、これなどはむしろ微笑ましい(?)ほう。学外行事に生徒を強制的に動員したり、生徒の処分が恣意的に行われたりすることがしばしば報じられ、さらにエスカレートすると、江蘇省蘇州市のある中学校は、2種類の制服がある上に更に4セットの制服を480元で生徒に強制的に買わせたとのこと。2015年に中央民族大学で経済学部の准教授が学生に強制的に自分の本を買わせた事件がありましたが、権力を笠に着たこういった行為もなお氷山の一角とか。最近、政府が、卒業・進学に当たって“谢师宴”“升学宴”を開いて教員に金品を送る悪習の根絶に力を入れているのもむべなるかな、と言ったところ。
学生を食いモノにするのは学校側だけではありません。最近問題になっているのは“校园网贷”。学生向けネット金融のことですが、今、これが学生の間で大流行。しかし、それによるトラブルは引きも切らず、河南省のある大学生は10数のネット金融から友達の個人情報を使って数十万元を借り、返済できずに飛び降り自殺してしまいました。これに対し、2016年8月、重慶市は「学生証などの提示だけで貸してはならない」、「保護者などの保証がなければ貸してはならない」など8項目の禁止令を打ち出しています。
生徒の学校生活で問題になっているのが校内暴力。西側先進国の校内暴力発生率は80%以上、という報告もありますが、2016年6月の人民日報によると、全国29県104825名の小学生に行ったサンプリング調査では、中国ではいまだ33.36%とのこと。とはいえ、急速な増加と内容のエスカレートが問題になっており、国務院は同年、各地に<校内暴力特別対策実施に関する通知>を発し、全国の小中学校で特別対策を進めるよう求めています。

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