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第763回 中西部地区航空網整備急ピッチ
(2017年3月27日)
2016年6月13日の人民日報に、航空業をよりどころに発展する雲南省の現状が紹介されましたが、雲南省と言えば、中国西南部に位置し、2000年頃、当時の江沢民総書記が「西部大開発」というプロジェクトネームで、鄧小平の描いた国土発展計画における「第二の大局」を発動したその中心的地域です。その後、温家宝首相が提唱したグレーターメコン経済圏の起点を為す地域として、対アセアン共同発展計画の中心基地としての役割も果たしています。
しかし、省内は山また山。省内の都市から都市へ向かうには大型バスで山中を半日か一日かけて登っていくしかありませんでした。でも飛行機なら一時間ほどで着いてしまいます。山が多いことは逆にシャングリラなど風光明媚な観光地域に恵まれていることでもあり、2016年第一四半期、雲南省の空港旅客取扱量は延べ二〇〇〇万人近くにまで達しました。その背景には急ピッチの航空網整備がありました。
現在、雲南省には旅客取扱量一〇〇万人以上の空港が五つあり、その数は全国一です。2015年、省全体の空港旅客取扱量が全国四位になり、省全体で目下三八七路線、昆明空港は中国から南アジア、東南アジア向けた路線が最も多い空港の一つになっています。雲南省は二〇二〇年までに一般空港を二〇カ所に増やし、一年間の旅客取扱量延べ一億人を想定、五年後には国際路線網が南アジア・東南アジアすべての国の首都及び主要都市を網羅する予定です。
西部地区では今、習近平の推進する「一帯一路」建設と連動し、各地で似たような航空網整備が進んでいます。すでに2015年、全国で193の民間航空発展プロジェクトが展開され、総投資額は5000億元に達しましたが、そのうち2000億元が「一帯一路」絡み。南方航空は、陸のシルクロードの国際的ハブとして新疆ウイグル自治区ウルムチを、海のシルクロードの国際的ハブとして広東省広州を育て上げてきました。今注目されているのが陝西省西安の「西咸新区空港新城」。シルクロード経済体の重要な商業貿易物流の中心として、航空物流・飛行機保修、ハイエンドサービス業などを包含した国際航空都市の建設を目指しています。
地方空港も続々開設され、地方空港と海外を結ぶ国際線も増えています。2016年5月には、寧夏回族自治区の銀川とアラブ首長国連邦のドバイを結ぶ航路が運行を始めました。同じイスラム文化を持つ地域としての結びつきが注目されています。