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 第784回 進む災害対策

(2017年8月28日)

日本の各地で集中豪雨の被害が報告されていますが、その点は中国も同じ。大雨等様々な自然災害が毎年発生して甚大な被害をもたらしており、その対策が急務になっています。
国家海洋局の公報によれば、地球温暖化の影響で、1980年以降、沿岸の海面が年率3mm上昇、海岸の浸食や土壌の塩害が生じ、気温も2015年には12の省で平均気温が過去最高となりました。2016年は全国で51回の集中豪雨が発生、473本の河川で洪水が発生し、特に太湖一帯では1998年以来の大洪水になりました。洪水による農作物被害面積は1.39憶ムー、被災者は1.02憶人、倒壊家屋は43万軒に達しましたが、これまでの年平均値に比べるとそれぞれ14%・27%・57%減少と、一定の防災対策効果も見られます。一方、干害も広がり、内蒙古のフルンベル草原等は深刻な被害を受け、更に新疆ウイグル自治区では5憶㎥という巨大な氷河が20km以上も移動して1.5万ムーの草場を飲み込む事態も発生しています。
こうした中、政府も組織的な防災体制の構築を急いでいます。2015年5月、国務院緊急管理部門に警戒警報発令センターが発足、同年秋には政府9部門が合同で<自然災害救援物資備蓄システム建設強化に関する指導意見>を公布、中央-省-市-県-郷の5段階備蓄システムの構築に乗り出しました。2016年12月、中共中央・国務院は<防災減災救災体制システム改革に関する意見>を発表、バランスの取れた全体計画、属地管理体制、社会及び市場の参画システム等の整備を通して総合的な減災能力を向上させ、組織的な指導を強化する方針を打ち出しました。また、年明けの1月には長期計画として<国家総合防災減災プラン(2016-2020)>も公表されています。
各地域でも対策が始まっています。第12次5か年計画終了時(2015年)には全国29の一級行政区、161の地級市レベル、990の県レベルに地質災害応急管理機構が設置され、京津冀(北京・天津・河北)地域では救援物資緊急相互援助システムも構築されました。
テーマ別の対応も具体化してきています。2015年、国務院は<全国水土保持プラン(2015-2030)>を打ち出し、また、地震対策としては、2016年6月に地震区の設定に対する5度目の見直しを実施、各地の建築物の耐震能力向上を図っています。この他、災害保険の整備も急務で、何が保障されるのかについての議論がヒートアップしています。

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