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第798回 庶民生活の話題—その1—
(2017年12月14日)
2017年12月5日に北京語言大学の研究機関から、2017年のメディア10大流行語が発表され、“十九大”、“新时代”、“共享”、“雄安新区”、“金砖国家”、“人工智能”、“人类命运共同体”、“天舟一号”、“撸起袖子加油干”、“上忘初心”、“牢记使命”が列挙されましたが、庶民生活の側面から見ると、“共享”「シェア《が抜きんでています。日本の「断捨離《は中国にも大きなインパクトを与えていますが、それだけでなく、遊休資産を融通し合って、貸す側、借りる側双方が、「収入を得る《、「利便供与を受ける《という“共赢”「共栄、ウインウイン《の関係を構築する、というビジネスモデルが誕生し、それが、自転車、自動車に止まらず、社会の様々な側面に浸透し始めていることは、既にこの欄でも紹介しました
猛烈な勢いで変化しつつある中国社会では、今、どんな事柄が注目されているのでしょうか。まず、注目されているのが「世代《の問題。特に“90后”と呼ばれる1990年代生まれが今、17〜27才で若者世代をすっぽり覆い、今後の社会の主流を構成していきます。そこで生じている変化とは、従来の学歴偏重の風潮に囚われず、自分の趣味や感性を大事にして将来の人生設計を、という個性的な生き方です。また、大学生はもうすべて完全なインターネット世代である“95后”。彼らをどう理解したらいいのか、その戸惑いも顕著です。
庶民生活と言えば、習近平氏の音頭取りもあり、ここ数年鳴り物入りで進められたトイレ革命はどうなったのでしょうか。2015年初め、国家旅游局は3年かけて全国でトイレ革命を実行する計画を立て、同年だけでまず2万2千か所を設置しました。また、2017年2月に杭州で開催された全国トイレ革命工作現場会議では同計画の89.33%に当たる50916箇所の設置が報じられました。2020年までの第13次5か年計画では総計10万カ所の観光地用トイレの設置が提起されています。年間40憶人以上が観光に出かける中国ですから必要数も膨大ですが、クオリティもまた大事、更に、どう運営するのか、も問われています。政府が作り政府が管理するのか、民間で作り民間が運営するのか、機関や団体が設置し管理人を置くのか、最近では観光地で一般の民家がトイレをきれいに整備して有料で観光客に提供する“共享”トイレも登場しています。私も先日中国で利用しましたが、非常に助かりました。
その他の現象はまた次回に。