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第802回 貿易の現状と課題—その２—
(2018年1月11日)
長期的な視野に立って、戦略的に貿易構造の改善を図るために3年前の2015年に発表されたのが＜海外貿易新規競争力育成加速に関する若干の意見＞で、そこではまず5つの転換が提示されました。すなわち、①輸出内容を、貨物から、貨物・サービス・技術・資本を複合させた形に転換する。②競争力を、価格競争力から、技術・ブランド・品質・サービスを中心とした総合的な競争力へ転換する。③成長の原動力を、要素的な原動力から、イノベーション的な原動力へ転換する。④ビジネス環境を、政策主導から、制度的に規範化され、なおかつ法治化・国際化されたビジネス環境へと転換する。⑤グローバルな経済体制における地位を、国際的な経済ルールを順守しそれに順応することから、国際的な経済ルールの改定・転換に積極的に参画する方向へと転換する。
さらに、この方針に沿った6つの任務も示されました。「①海外貿易構造の大幅な調整。商品構成や貿易方式の改善とサービス貿易の発展など。②国際競争力の向上。技術・ブランド・品質・サービスの向上、地域開放の環境整備など。③「一帯一路《沿線諸国との経済貿易の協力発展の推進。④互恵的国際協力関係の構築。対外貿易と対外投資を連動させたＦＴＡの推進。⑤法治化・国際化されたビジネス環境を造り、経済貿易ルールに関する発言権を高め、貿易摩擦に積極的に対応。⑥貿易政策と産業政策をしっかり協調させ、財税政策と金融政策を整備し、公共的支援能力を向上させること《。中でもサービス貿易の発展についてはその3か月前にすでに＜サービス貿易発展加速に関する若干の意見＞が出され、サービス貿易の自由化と利便化を推進して「中国サービス業《の国際競争力を高め、2020年にはサービス貿易輸出入総額を1兆元にする目標が掲げられました。
同年7月、国務院は＜輸出入安定成長促進に関する若干の意見＞で更に具体的な7か条の政策的措置を打ち出しました。それには輸出入に関する様々な費用徴収の整理による企業の負担軽減、人民元決算の利便化と輸出信用保険の強化などによる融資サービスの向上、輸入奨励技術・製品目録の輸入貸出向け優遇金利によるカバーや、杭州越境ＥＣ総合試験区建設の推進なども含まれていました。
この続きはさらに次回に。
