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第八十三回 人民日報が紹介した日本人たち
昨年は日中国交正常化30周年で、人民日報にも日本紹介の記事が多く見られまし た。昨年4月以来この1年間に紹介された中から、その内容を人物中心で拾って見ましょう。
まず、日中友好に貢献した人ですが、◆砂漠の緑化に精魂を傾けた遠山正瑛氏。遠山氏 は今年97歳、1991年から2001年まで、延べ335チ−ム、6600人ものボラ ンティアを率いて、南オルドスの恩格貝砂漠に百万株植樹プロジェクトを3つも完成 させました。(2002.4.19) ◆笹川財団の故笹川良一氏。笹川日中友好基金を設立、日中間の政治、経済、文化、教育の交流に尽くしました。(2002.4.19) ◆大分県知事の平松守彦氏。平松氏は一品一村運動を中国に広め、中国農村の改革に大きく貢献し、南京師範大学など4大学の名誉教授にもなっています。(2002.11.8)
次に文化面での日本人紹介。◆日中合作映画に出演した経歴を持つ栗原小巻さん。 2002.4.14に30周年記念行事第一弾として北京で栗原小巻映画作品展が開催され、彼女に関する紹介記事が掲載されました。(2002.4.26) ◆1972年に中央楽団と共演し、1979年にはボストン交響楽団を率いて中国公演を行った小沢征爾氏。氏は10/1から3 日間、北京天橋劇場で<蝶々夫人>を指揮しました。(2002.10.4) ◆1972年の日中国交正常化の折、田中首相が毛沢東主席にその作品<春暁>を送った東山魁夷氏。氏の作品は中国でも人気があります。(2002.12.6)
別の面で注目を集めたのがノ−ベル賞を受賞した田中耕一氏。氏が「この成果は自分 ひとりのものではない」と授賞式で4人の仲間の名前を挙げたこと、島津製作所を取材した後、記者が北京で「人と地球の健康を実現するために」という同社の看板を見て、それこそが島津の経営理念であり、ノ−ベル賞を育んだのだ、と気づいたことが記されています。
最後に、今年、4/13の東京都知事選に絡めて、石原慎太郎氏の紹介記事。「タカ派の政治家で、現行憲法を認めず、核武装を主張し、第2次大戦の侵略を否定し、アメリカにはノ−を言い、中国を支那と呼び、北朝鮮との開戦を叫ぶ。そんな彼が首都の知事に選ばれたのは、その対外的な姿勢が評価されているのでは無く、中央政府に負けない姿勢が評価されているだけで、彼が将来首相になる可能性はほとんど無い。」とのこと。(2003.4.16)