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第831回 海南省の発展とその意味-その1-

(2018年8月9日)

1988年4月、第7期全人代第一回会議で海南省の設立が承認され、1980年に成立した4つの経済特別区(深圳・珠海・厦門・汕頭)に次ぐ第5の経済特区、海南経済特区が成立しました。そして、2018年4月13日、海南経済特区成立30周年を記念する大会が盛大に開催され、翌14日、人民日報は一、二面ぶち抜きで大会の様子と習近平国家主席の講話全文を掲載しました。
海南経済特区の発展振りはまさに中国の改革開放路線が紆余曲折を経験しながらも大きく発展を遂げたその縮図とも言えましょう。発足当時の海南は農村人口が80%を占め、リー族・ミャオ族などの少数民族が100万人を超え、人口の17%が衣食にもこと欠く有様でした。開放政策が本格的に始まったのちも、発展を急ぐあまり、投機的な不動産バブル、金融リスク等の辛酸を味わい、1995年から“一省两地”(新興工業省、中国熱帯高効率農業基地、中国リゾート観光景勝地)政策を推進、漸く1998年頃から低迷を脱却し始めました。
2009年には国務院が<海南国際観光島の建設発展に関する若干の意見>を提起して本格的な発展に火が付き、2013年4月には習近平総書記が自ら海南省を視察、中国独自の社会主義の実践模範となるよう求めました。上記の<若干の意見>に対する2015年に行われた国家発展改革員会の総合評価では、指定された13の任務のうち、第三次産業の対GDP比(直近の2017年では79.5%に)、森林被覆率、都市生活ゴミ無害化処理率、飲料水の安全問題の全面解決などについては繰り上げ達成され、全体としては87.5%が順調に目標値をクリアしつつあることが確認されました。
海南省では今、数々のプロジェクトが進められています。そのいくつかを紹介しましょう。まず、交通インフラ整備では、島外との連絡が強化され、粤海鉄道が開通し、航空路は200本に、海上貨物輸送路も337本に達しました。海では観光船やヨットといった観光業の育成にも力が入れられており、既に2015年に省政府は同産業の発展に向け12項目の政策を公布、2030年には2.3万艘分のヨット係留箇所を設け、250憶元の消費を見込んでいます。 島内交通では、島内一周の高速鉄道と田の字型高速道路網を整備することで全島を3時間経済圏に組み込む計画が進行中ですが。様々な道路網の整備、その他の発展は次回に。

次回は8月16日の更新予定 テーマは<海南省の発展とその意味-その2->です。

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