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第874回 共産党の党内改革-その1-

(2019年6月20日)


      今回から数回にわたって、2017年の19全大会前後から今日に至る共産党の党改革並びに体制維持地発展強化に関する様々な取り組みを略述しましょう。この間のプロセスには二つの大きな底流があります。第一は時代の変化に即応した党の体質改善と一党独裁の強化であり、もう一つは、2012年以降の習近平の権力掌握プロセスに沿った権力基盤の確立といった側面です。この間の権力闘争はこれまでも折に触れ言及したので、これを頭に置いて概観してください。
      中国共産党は現在約9000万人の党員を抱える巨大政党です。というより、党員であることが社会における大きなステイタスシンボルであり、社会のアパークラスを形成していますが、これは一つ間違えれば、共産党が本来最も憎む既得権益グループによる搾取階級を形成する危険があり、まさに「貴族化」の危機に晒されているわけです。その一方で、新産業革命時代に学歴の高いエリート集団を積極的に党内に取り込むことも必要不可欠で、高等教育を受けた高学歴者の割合も今では党員の半数に迫ろうとしています。こうした人々の「貴族化」に対し、習近平は非常に危機感を感じ、党の紀律とチェック機能を高め、党員の質を高めるためにも党内の「法治化」が急務である、と考えているのです。
      2012年の十八全大会後、習近平は「三大紀律八項注意」を想起させるような「八項規定」を打ち出して党員に倹約と勤勉を提唱、中共中央政治局会議で採択され、その後<中国共産党廉潔自律準則><中国共産党紀律処分条例>なども打ち出されて、党内の新しい法規体系[党章(1)→準則(2)→条例(24)→規則・規定・弁法・細則]が確立されました。2013年には党内“立法”に関して<中国共産党内法規制定条例>や<中国共産党内法規・規範性文件備案規定>が制定され、2014年までにはほぼ党内法規制度が確立されるとともに、<中央党内法規制定五年プラン綱要(2013-2017)>が打ち出されました。
      こうした成果を継承し、更に同年11月には、2021年の結党100周年に照準を合わせた<中央党内法規制定工作第二次五か年計画(2018-2022年)>を打ち出し、2018年には集中的に74もの法規が制定され、2014年までに制定された関連法規に対する見直しも、2019年6月を目途に精力的に進められました。

次回は6月27日の更新予定 テーマは<共産党の党内改革-その2->です。

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