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第877回 共産党の党内改革-その4-

(2019年7月11日)


      14大学に対する中央紀律検査監察部の監察結果から北京大学の例を見ると、「党の指導的役割が不十分」「中央の八項目規定の精神が浸透していない」「“四つの意識”(2016年中国共産党成立95周年大会で習近平が提起。“政治意識、大局意識、核心意識、看斉意識”)がまだ弱く、党の教育方針と重大な政策、手筈がしっかり行われていない」「中国に根差した世界一流大学の建設という要請に応えていない」「意識を構築する責任をだれが負うのか、制度が未整備で、党委員会指導下で学長がその責任を全うしようという自覚が足りない」「党の活動がいい加減、末端党組織の整備が薄弱で、“二つの責任”(党委員会の主体的責任と紀律検査委員会の監督責任)がきちんと果たされておらず、大学のガバナンスが弱い」「大学が経営する企業・附属病院の管理が杜撰」「人事上の問題が顕著で、腐敗問題が突出」とあります。この内容はどの大学に対してもほぼ共通しています。
      こうした動きを受け、2018年には盛んに学習活動が展開され、教育部門では「習近平新時代中国特色社会主義思想研究センター」が四カ所に開設され、全国21の重点マルクス主義学院併設大学に“習近平新時代中国特色社会主義思想概論”が開設され、『習近平新時代中国特色社会主義思想三十講』が教材として開発されました。2019年1月15日付人民日報は「党の旗を高等教育機関に高く掲げよう-高等教育機関の党の建設と思想政治工作総述―」と題した長文の記事を掲載して、それまでの動きを総括しています。
      こうした党組織の再建と強化は農村や企業、また、一般社会に向けても盛んにおこなわれています。農村では、2019年1月に中共中央から、1999年の条例を改定した、“習近平新時代中国特色社会主義思想”に基づく新しい<中国共産党農村基層組織工作条例>が印刷発行されましたし、企業に対しては、既に2015年9月に<国有企業改革の深化における党の指導堅持と党の建設強化に関する若干の意見>が出され、2017年には、3076の中央企業などの組織の定款総則に指導的政治的面での党組織の中心的役割が明記され、また、2018年には中外合資企業にもこの方針が積極的に推進されました。一般社会向けでは、2015年の<中国共産党統一戦線工作条例(試行)><社会組織の党建設工作強化に関する意見(試行)>を皮切りに、2017年以降、社区(地域社会)における党組織の強化も精力的に進められています。

次回は7月18日の更新予定 テーマは<庶民生活の変遷-その1->です。

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