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第906回 食糧問題-その2-

(2020年2月13日)

輪作区では“一主”と“多輔”の組み合わせが提案されました。“一主”では、トウモロコシとダイズを輪作して、ダイズの根粒菌で地味を高めたり、“多輔”では、トウモロコシとイモ類・雑穀類・豆類・搾油用作物・野菜類・飼葉用植物などの輪作を行ったりします。また、1収穫シーズンの休耕には1ムー当たり約500元、2収穫シーズンの休耕には1ムー当たり約800元の補助も提案しています。       
こうした政策と平行して、重要な新しいプランが動き出しました。それが「食糧生産機能区」と「重要農産物生産保護区」です。2017年4月、国務院は三年かけて全国の過半数の耕地をこの2区に編入する方針を打ち出しました。すなわち、食糧栽培地域と重要農産物地域を固定しよう、というのです。「食糧生産機能区」では、三大作物(コメ、コムギ、トウモロコシ)が、「重要農産物生産保護区」では重要作物五種類(ダイズ、綿花、菜種、サトウキビ、天然ゴム)が栽培されます。こうすることで、例えばダイズ保護区は1億ムー、綿花保護区は7000万ムー、サトウキビ保護区は3500万ムー、天然ゴムは南方の海南省・雲南省・広東省で計1800万ムーの確保を見込みます。「食糧生産機能区」と「重要農産物生産保護区」は2019年末までに計10.58億ムー確定が目標になっており、更に、2020年には“高標準農田”を8億ムー建設することも重要な目標になっています。       
こうした全国的総合的見地に立った耕地の再編と確保は近年の大きな課題になっていますが、それを実現するためには省の壁を更に打ち破る必要があり、2018年3月には国務院から<省域横断耕地補充国家統一計画管理規則>が出されています。耕地保護には、耕地の占用に対する歯止めも必要で、2019年1月に<中華人民共和国耕地占用税法>も施行されました。1㎡辺りで最高が上海の45元、北京は40元となっています。農村自体もこれに合わせて大きく変わりつつあります。2018年までに農村土地請負権確認登記が30の省で完了し、その面積は14.8億ムー、請負地実測面積の89.2%に達しました。また、同年、政府は農村の集団資産の洗い出しを全面的に推進し、約1000の県で集団の資産保有権の改革を試み、また、農村の集団経済組織3万に対し登記証を発行しています。       
2019年の中央一号文献も強調された10数億の民の“吃飯問題”、まさに待ったなしです。

次回は2月20日の更新予定 テーマは<PPPの内実>です。

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