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第937回 新基建

(2020年9月24日)

降って湧いたコロナ騒ぎ。経済への打撃が深刻になれば学生の就職にも影響が甚大になります。コロナが猖獗を極めた2月中頃から中国政府が早くも“復工復産”を呼びかけたのは、第13次5か年計画総仕上げの年に経済が落ち込む一方であれば、深刻な政治問題になりかねないと同時に、日本ではすでに就職活動はほぼ終わっている時期であったのに対し、中国は就職活動期まで3カ月前後しかなく、社会不安をも醸成しかねないからです。       
ところで、今年の卒業生の就職希望にはどんな傾向があるのでしょうか。人民日報の調査によると、最も多いのが自ら起業する(28.8%)、次が国際組織に入って中国の声を伝えたい(25.6%)、第三位は貧困から脱出したい(21.1%)となっています。   
コロナ以前から政府は貧困撲滅という大目標の実現のため、そして米中貿易戦争の影響に対処するため、就職問題に様々な手を打ってきました。就職希望の一位が起業というのは、ここ数年、政府が起業を奨励するために、大学とも力を合わせ、様々な援助の手を打ってきたからです。2019年12月、政府は<就職を安定させる対策をより着実に進めることに関する意見>を出し、以下の6つの重点措置を打ち出しました。すなわち、①企業の様々な保険料の負担軽減や、私企業・中小企業に対する資金供給を行い、企業活動を支えて人員削減などを規制すること、②多くの働き口を確保するため、地域コミュニティ、ホームヘルパー、観光、ベビーシッター、老人介護など、多人数の就業が見込めるサービス業を発展させる事、③労働者が様々な就職ルートを選択できるよう、多くの障害を取り払って条件を緩和すること、などが挙げられています。   
最近注目されるのが新しい職種の認定で、2019年4月には政府の三部門が合同で13の新職業を認定しましたが、そこには今後5年間の目標として、農業経営士150万人、ドローン操縦士100万人、e- Sportsマネージャー150万人などが掲げられていますし、操作員など産業ロボット関連の人材も2020年には300万人不足すると予測しました。2020年には更にデジタル経済、AI関連職種が就職の新しい受け皿として強調されています。   
都市部の新規就職900万人以上、調査失業率6%前後という本年の目標を最終的に達成できるか、その結果が注目されます。   

次回は10月1日の更新予定 テーマは<麻薬問題の現状>です。

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