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第909回 進む信用社会構築-その1-

(2020年3月5日)

本コラム第758号(2017.2.20)<信用確立への取り組み>では、2016年1月に政府各部門が<信用喪失被執行者に対する連合懲戒処分実施に関する協力備忘録>で55項目の懲戒措置を発表、同年6月には<信用順守を連合して激励し信用喪失を連合して懲戒する制度を確立し、社会の信用制度建設を加速推進することに関する指導意見>を出し、7月には発展改革委など29部門が<納税信用A級納税者に連合激励措置を実施することに関する協力備忘録>に調印するなど矢継ぎ早に関連政策を打ち出したことを書きました。その後、満3年間、どのような進展があったのでしょうか。       
2017年初頭から人民日報の紙面には、“老懒”(滞納者)という語を織り込んだ記事タイトルが目白押しになりました。これも実は信用社会の構築の重要な一環なのです。裁判で賠償などの支払いを宣告されてもいっかな支払いに応じない、といったような滞納者の問題は“執行難”と言われ、大きな社会問題になっていましたが、日常生活における様々な料金滞納問題も、スマホを使った様々な消費システムが拡大する今日、経済の発展を阻害する重要な要因になりかねません。そこで、信用社会の構築の一環として、これら滞納者のブラックリストがオンラインで全面的に公表されるようになったのです。市民は誰でもスマホをワンクリックすれば、身近な“老懒”をリストアップでき、該当者は一切の社会活動が制約され、立ち往生してしまいます。反対に、高い信用を得られた人は、様々なデポジットが不要になり、家や車の賃貸、ホテルの宿泊、飛行機や高速鉄道の利用も手軽になります。“芝麻信用”(アント・フィナンシャルサービスによる個人信用評価システム)はクラウドなどの技術を使って総合的な評価を行うことで裁判所と連携し、膨大な数の“老懒”を摘発しました。       
信用度の基準については、各地域間で統一を図り、行政区分の枠を超えて情報を共有しようという動きも盛んになり、河北省は省全体で公民の身分証番号制度をベースに社会信用コードデータバンクを造り、長江中流域の武漢・長沙・合肥・南昌4都市は合同で社会信用システムを実現しました。また、河南省では公務員を対象とした信用データも作成されました。       
とはいえ、こうした信用評価基準作成の基礎資料となる様々なデータが何を拠り所にしているか、各評価機構の信頼性をどう担保するのかは依然大きな問題です。続きはまた次回に。

次回は3月12日の更新予定 テーマは<進む信用社会構築-その2->です。

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