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Last Update:2018/2/28
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コラム『チャイナウォール』-中国人の法意識-

 第350回 新型職業農民とは何か

(2018年2月28日)

  中国共産党中央と国務院は、2018年1月2日に「農村振興を実施する戦略に関する意見」(以下、「意見」という。)を制定し、これを2月4日に2018年の中央1号文献として発布した。農村に関する問題が15年続けて中国共産党中央の第1号文献となった。
  意見は、以下の全12章からなる。(1)新時代の農村振興を実施する戦略の重大な意義、(2)農村振興を実施する戦略の全体的要件、(3)農業発展の質を向上し、農村発展の新しいエネルギーを育成する、(4)農村のグリーン発展を推進し、人と自然の調和のとれた共生発展の新たな局面を形成する、(5)農村文化を繁栄させ、農村文明に新たな風を吹き込む、(6)農村基層の基礎業務を強化し、農村統治の新しい体系を構築する、(7)農村の民生保障水準を高め、美しい農村の新たな様相を形成する、 (8)脱貧困に精進し、貧困層の満足感を増強する、(9)体制メカニズムの創新を進め、農村振興制度の供給を強化する、(10)全社会の力を集め、農村振興人材の支援を強化する、(11)投融資のルートを開拓し、農村振興の投入保障を強化する、(12)党の「三農」(農村、農業、農民)業務の指導を堅持し、整える。
  この意見において、以下の戦略目標が示された。(1)2020年までに戦略の制度的枠組みと政策体系を確立し、貧困ライン以下の農民をなくし、農村の生産性や農産物供給を大幅に改善しする。(2)2035年までに農業と農村の基本的な近代化を進め、「決定的な」進歩をもたらす。都市や農村部のすべての中国人が基本的な公共サービスに平等にアクセスできるようにし、都市と農村の統合を改善する。(3)2050年までに農村部に強い農業、美しい農村地帯、豊かな農民がいるようにする。
  この戦略目標を実現する上で、中国は、新型職業農民を育てようとしている(農業部は、2013年に「新型職業農民育成試点工作方案」を発布している。)。
  新型職業農民とは何か。新型職業農民は、かつての農民が身分で縛られていたものと異なり、「職業」として農業を選択する農民をいう。具体的には、(1)生産経営型の職業農民、(2)専業技能型職業農民、(3)社会サービス型職業農民、の3つに分類される。
  (1)生産経営型の職業農民は、個別農家を生産経営の基本単位として、生産の規模化、集約化、専業化及び組織化を図るものをいう。
  (2)専業技能型職業農民は、農業企業、専業合作社、家庭農場、専業大農家などの背経営主体のうち、特定の生産経営に専業化した農業労働力をいう。
  (3)社会サービス型職業農民は、農業に関わるサービス業務を行う営利サービス機関または個人をいう。
  2018年の中国共産党及び政府の活動において、農業問題が経済格差の是正との関連においても最優先課題となる。

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