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LastupDate:2004/2/25
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コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第10回 市民の基本的権利意識

(2004年2月24日執筆)


中国人の憲法意識(4)―市民の基本的権利意識U


   市民は、憲法で規定されている基本的権利について満足しているのか否か。満足していないものがあるとすれば、どのような権利の補充を期待しているのであろうか?
 韓・王によるこの点にかかわるアンケート調査結果がある(『政法論壇』中国政法大学学報、2002年6期)。以下の図のとおりである。この結果から、市民は憲法における基本的権利保護にかかわる規定について、(1)どのように評価しているのか、(2)国家機関への期待は動であるのか、(3)基本的権利保護にかかわる今後の憲法改正内容への期待はどうであるのかが窺知できる。




    以上のアンケート調査結果からは、基本的権利の保護状況に対する満足度は概して低いということが言えそうである。これは、市場経済化している現状に現行憲法が追いついていない部分があるということを想像させる。中国の憲法学者が、補充を必要と感じている基本的権利に(1)移転の自由、(2)ストライキ権などがある。これは、従業員・労働者の権利保護を確保しようという要請から考えられているものである。また、(3)個人の財産権、例えば、所得、預金、不動産などの所有権の保護の強化の必要性も指摘されている。これは、当該権利について、保護するとは規定されているものの、土地の収用などにかかわる手続や補償問題など、実質的に保護されていないのではないかと考えられるケースが少なくないからである。



次号の更新は3月10日(火)ころを予定しています。

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