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LastupDate:2004/1/28
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チャイナウォール
コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−
第八回 市民の憲法機能に対する認識
(2004年1月28日執筆)
中国人の憲法意識(2)―市民の憲法機能に対する認識
憲法は、国家権力を規範化し、拘束することで、市民の基本的権利および自由を確保しようとするものである。しかし、今日の中国において、憲法の理念を真にこのように言うことができるか。
市民の間で強烈に関心があるのが、権力腐敗の問題である。筆者は、2003年12月に北京に滞在しているときに、最高人民検察院の門に内蒙古など地方の市民が、当該地方政府の腐敗現象の是正を中央政府に訴える直訴状が張られているのを目にした。権力腐敗と憲法の関係について、市民は如何に考えているのだろうか。
1 権力腐敗の原因は何か
権力腐敗は、対外開放以降に著しくなったと認識されているようだが(韓大元・王徳志『政法論壇』中国政法大学学報、2002年6期)、市民は、どのように考えているだろうか。以下は、韓・王によるアンケート調査の結果である。
権力腐敗の原因として、権力に対する制約が欠如していることを指摘するものが圧倒的に多く、これを第一の原因とするものが全体の51%、第2の原因とするものが18%もいる。とりわけ、このような認識を持つのは、党および政府の幹部、事業単位の職員、大学生などに多く見られる。農民は、幹部の素質の悪さを指摘するものが最も多い。
2 権力腐敗と憲法の関係
権力腐敗の原因が「権力に対する制約の欠如」にあるとすれば、どのような方法により権力を制約すればよいのか。韓・王ら憲法学者からすると、憲法の理念に照らして、市民の憲法意識を向上させ、憲法の位置付けと機能を認識し、強化することが必要であるということになる。 しかし、市民がこの関係をどのように認識しているかというと、憲法との関連性を積極的に肯定するものは多いとはいえないようである
村民選挙などが普及してきているが、市民の政治への参与をどのような方法で確保していくかが今後の課題となるであろう。
次号の更新は
2月10日(火)
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