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LastupDate:2003/12/24
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コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第六回 閑話:「大理」

(2003年12月24日執筆)


閑話:大理 ― 都市化は「我を忘れず」


  筆者は、11月4日から12月18日までの45日間、JICAプロジェクト「中国西部中核都市の都市化支援調査団」の一員として訪中していた。この都市化の対象都市には、四川省都江堰市、徳陽市、雲南省大理市、玉渓市、湖南省懐化市の5都市がある。この5都市をモデルとして、に如何に西部地区市の都市化を図るかを検討しようというものである。
  この調査のため中国に滞在しているときに、丁度この調査対象市である大理について、表題の“大理:都市化は「我を忘れず」”という記事を目にした(『人民日報(海外版)』2003年12月8日)。
  この記事では、以下のようなことが述べられ、紹介されている。
「大理は、多元的文化と自然が調和した楽土である。最近、雲南大理白族自治州の趙立雄州長は、滇西中心都市建設の過程で常に「自己を忘れてはならない。」ことを強調している。すなわち、大理の都市建設は、必ず生態化、山水化、園林化、文化の多元化を具備しなければならない。……
   私たちは、都市化に反対するのではない。各地は皆、都市化を加速している。「経営都市」(都市を経営する。都市を形成する。)は、江南北の一大スローガンとなっている。しかし、「経営都市」と同時に、「保護都市」が必要なのではないか。山水化、生態化および特色ある文化の保護など「我を忘れる」べからずではないか?」
   中国は今、西部と東部との経済格差拡大を解消すべく、西部開発に尽力している。このとき、ともすればGDPの成長率のみで豊かさを図りがちである。しかし、最近、西部地区で単に(盲目的に)GDP向上を追求した都市化に対する反省・反対の声が聞かれるようになりつつあるような気がする。
   中国の英字紙CHINA DAILY(2003年12月13-14日)では、中国発展改革委員会の杜平氏の「西部開発は、長期的な視野に立ち、経済利益の追求のみで、総合的な開発をなおざりにしてはならない。」という発言が伝えられていた。大理白族自治州の趙立雄州長の発言と同様趣旨であると理解する。
   好ましい傾向ではないか。日本としても、自らの失敗の経験からもかかる方面での支援こそが中国のためにも、日本国の国益にもなるのではないだろうか。



次号の更新は1月14日(水)ころを予定しています。

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