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LastupDate:2004/1/14
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コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第七回 市民の憲法理念

(2004年1月14日執筆)


1.中国人の憲法意識(1)―市民の憲法理念


  今回から数回、中国人の憲法意識について紹介する。この点について紹介し、検討するのは、次の理由による。すなわち、憲法は、国の法規範の重要な基準であり、これについて市民が如何なる意識を有しているかは、その国の法治の程度を理解する上で重要であるからである。
  中国において、市民の憲法意識を調査するようなことは極めて少ない。その中で、韓大元(中国人民大学教授)と王徳志(山東大学助教授)によるアンケート調査がある(『政法論壇』中国政法大学学報、2002年6期)。この調査は、性別、教育レベル、職業の異なる市民に対して広範に行なわれ、534件の回答を得ている。そこで、この調査報告を基に、中国人の憲法意識について検討する。

市民の憲法理念

市民の憲法理念については、以下の3つの設問が用意され、図1の通りの回答が得られている。
設問1.憲法は、政府権力を規範化し、公約するものであり、市民の権利を保護する法律である。
設問2.政府の権力は有限であり、人民の権利の制約を受ける。
設問3.憲法は、必ず訴訟規範となり、法院の判断基準となる。

  回答者を職業別に分類すると、党政府機関職員82人(15%)、事業単位職員48人(10%)、法律関係職員77人(14%)、国有企業職員55人(10%)、外資系企業職員56人(10%)、株式制企業職員26人(5%)、集団・私営企業職員56人(10%)、大学生79人(15%)、農民55人(10%)である。
  上記の設問に関して、“わからない”という回答は農民に多く、教育レベルとの相関性が伺える。



次号の更新は1月14日(水)ころを予定しています。

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