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(2004年4月14日執筆)
回答 (1)進展がある、(2)ある程度の進展がある、(3)あまり進展はない、 (4)進展はない、(5)わからない」 (注)データを合計すると100%にならないが、これは原文のままである。 設問1に関しては、マイナス評価のほうが多い。また、「わからない」という回答は、憲法についての教育が十分になされていない、ないしは憲法について無関心であるということを示した回答であるといえる。そうであるならば、憲法施行状況に対する評価は、60%以上が満足していないといえる。この原因は、どこにあるのか。韓・王は、権力の制約メカニズムが十分に機能していないことがあり、権力による腐敗現象が蔓延っていることがあるのではないかとしている。市民の基本的権利を一層保護する必要性を指摘している。筆者は、中国出張の折に時間が許せば、最高人民法院や最高人民検察院の訴状提出所を見に行くが、開門前にはしばしば門に地方市民による地元も権力者の腐敗を訴える貼り紙があるのを目にする。 設問2は、憲法施行状況を評価する上で、最も重要な視点である民主政治の確立についての評価を問うものである。数字に表れたとおり、ある程度の進展が認められはするものの、さほどの進展もないという評価が与えられているといえる。 民主主義の原理は、市民権の原理であり、これは具体的には多数決主義、首長の選挙(これが行なわれること自体が民主であるとは言えず、手続上の最低条件として、秘密投票、普通選挙が行われることが必要であるが)などで実現されるものである。中国の政治・社会体制においてこれを考えれば、共産党の強制力や権威主義による支配に対し、共産党に批判的な自由な発言をする機会が与えられ、この中で市民による普通選挙が実施され、その結果(たとえ共産党員が選挙の結果選出されなくとも)を共産党も認容することであろう。 農村の普通選挙制度はある程度進展してきたが、都市における普通選挙制度の改革にまでは至っていない。今後は、都市における選挙制度の改革などが、議題に上がってこよう。
次号の更新は4月28日(水)ころを予定しています。
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