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LastupDate:2004/5/26
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コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第16回 一元ショップと公益

(2004年5月26日執筆)



    中国でも、日本の100円ショップならぬ1元ショップがあちこちに目に付く。一元ショップと大きく表示された店もあれば、何の表示もなく呼び込みだけを行っている店もある。このことから判断すると、この一元ショップには、正規のものもあれば、不正なものもありそうである。
  この一元ショップが、公益に資するものか否か争われている。一元ショップに如何なる争点がありえるか。
  一元ショップは、仕入れ商品自体の価格が安く、どちらかというと小物が多いことから、商品の品目は多くとも、量は少なく、店舗のスペースもさほど取らないことから賃借料も比較的に安く済むという。このために起業を促し、かつ消費者の購買意欲も高め、消費を押し上げ、経済を活性化させるという効果が期待されている。
  しかし、このようなプラス効果があるだけではない。一方で、低価格商品は品質低下により実現され、著しくはニセモノ(とりわけ化粧品やDVDが多い。)が販売され、人の健康を害することもありえるのではないかという懸念がある。一元ショップに商品を卸すメーカー間に過当競争が生じれば、さらなる品質低下ももたらすのではないかとも指摘される。消費者が詐欺にあっても、被害金額が少ないことから訴訟を起こすコストとの比較で、訴えを断念することが常である。以上は、公益に反するものであるといえる。
  以上の事実に対して、一元ショップの効能と公益に反するという事実との対立があるといえるか。問題は、後述した不正行為を取り締まる必要があるということである。日系企業が、中国においてニセモノ被害にあっていることは周知の通りである。工商行政管理局や技術監督局などがニセモノ・メーカーや販売業者の取締りを強化し、市場の管理機能を高める必要があるといえる。
  中国人の法意識という観点から見ると、遵法精神の欠如ということが指摘されざるを 得ないだろう(必ずしも中国に限ったことではないが。)。



次号の更新は6月9日(水)ころを予定しています。

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