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Last Update:2011/11/09
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第198回 流通業の発展をめざす江蘇省

(2011年11月09日)

  江蘇省は、第11次5カ年計画期に社会商品小売り総額が年平均18.8%成長し、2010年には1兆3500億元、全国第三位の 規模となった。今後さらに流通業を発展させ、2015年には2兆8000億元にまで発展させたいとしている(国際商報 2011年11月4日)。
  江蘇省政府は、「流通業の現代化を迅速に推進することに関する意見」を発布し、流通業に関する第12次5カ年計画要綱 を策定した。この要綱では、(1)蘇無常(蘇州・無錫・常州)商圏、(2)南京商圏、(3)徐州商圏の3大商圏を形成する考えである。
  例えば、蘇無常商圏に位置する常熟では、アパレル加工業を集積させ、当該地区のブランドを形成し、卸販売価格を形成す るようなセンターとし、デザイン、物流および情報サービスのセンターとしたいとしている。江蘇省は、昔から中国国内の重要な紡織品取引市場であり、 2010年の取引額は710億元で連続6年間にわたって中国第一位の規模を維持している。このような競争優位を活かそうと言う考え方である。
  商務部は、全国で15社の流通企業を重点的に育成する計画であるが、この中にあって南京市に本社を置く蘇寧電器は首位に位置付けられている。
  蘇寧電器は、中国全国の300都市に店舗を設けているほか、香港、日本(東京、大阪)などにも店舗を設置しており、 2010年の売上げは1560億元になっている。中国最大の商業企業であり、民営企業では第3位の規模である。蘇寧電器は、今後10年で年商3000億元 の企業となり、電子商取引における市場シェアで10%を占めることを計画している。
  全国第一位の蘇寧電器ではあるが、その売上げはウォールマートの20分の1でしかない。
  かかる現状にあって、蘇寧電器の傘下に入ったラオックスの経営手法は、中国の流通業の経営手法を改善・改革するものになると考えられる。
  ラオックスは、2010年5月に中国に現地法人「楽購思上海商貿有限公司」を設立し、同年6月に上海に楽器専門1号店 「MUSICVOX遠東店」を蘇寧電器店舗の1階に出店した。この店舗は、日本の店づくりコンセプトと同様で最大の特徴は、楽器教室・スタジオを設置して いることである。
  ラオックスは、日中文化交流イベントを計画・実行しており、異文化理解にも貢献することが期待される。


   
                      楽器専門1号店「MUSICVOX遠東店」             

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