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Last Update:2012/3/14
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第206回 「喬丹」(ジョーダン)」の氏名権侵害訴訟と中国企業の市場開拓戦略

(2012年3月14日)

  2012年2月23日付で中国の通信社「新華社」は、米国NBAのスター選手のマイケル・ジョーダンが、「喬丹体育」(本社を福建省に置くスポーツ製品メーカー)を氏名権侵害で提訴したことを伝えた。
  「喬丹」は、「ジョーダン」の中国語名として知られている。そこで、ジョーダンは、喬丹体育が無許可で氏名を使用し、売上げを著しく伸ばしており、消費者を誤認させていると主張している。
  喬丹体育がジョーダンの氏名権を侵害したといえるか否かは、同社が自社の製品を販売する際にジョーダンの名前、イメージ、姿、声などを使用して、本当に消費者にジョーダンの商品であるということを誤認させたか否かが大きな問題となる。
  喬丹体育は、違法すれすれのエッジボールを打っていると考えられる。しかし、ジョーダンの氏名権などを直接的に利用して、どれだけの利益を上げたと立証することは難しそうである。
  さらに、もし喬丹体育が、商標使用を差し止められ、製品が販売できなくなった場合には、数千人の労働者が解雇されることにもなる。このことを考えると、法院は政治的な判断もしそうだ。
  喬丹体育は、2000年に設立され、今では中国を代表するブランドになっている。2010年の売上高は29.1億元となり、現在では上場を計画中であるという。
  中国企業が国内市場を開拓する際の戦略に「農村から都市を包囲する(農村包囲都市)」戦略といわれるものがある。この戦 略は、全国のティア2、3、4のレベルの都市または農村から製品の販売、市場開拓を始めて、都市を包囲して行くという戦略である。喬丹体育もローエンド商 品を地方都市から市場に投入してシェアを拡大して行った。
  中国市場開拓を検討する外国企業としては、自社の商標を管理するということに関しては、これまでのように大都市の動向をモニタリングするだけでは足りず、地方都市に本社を置く中国企業の商標についても注意を払う必要があるということになりそうだ。


北京市の繁華街「前門」の店舗
   
 iPhone4は大変な 人気である。北京ではiPad2も販売されている。アップルの旗艦店の前には新品のiPhone4(本物)を売ろうとしている中国人を大勢見かける。聞く とプレゼントとしてiPhone4をもらった人たちが、これを直接または間接的に店舗の前で転売しているのだと言う。店の係員がここで売るのを止めろと言 うが、全く聞いてもらえない。             

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