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Last Update:2013/02/27
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第230回 外国の企業文化を理解する人材の育成

(2013年02月27日)

  米国に留学する中国人学生が、この数年間に毎年20%も増え続け、2011〜2012年の学期では約20万人に上る(Institute of International Educationによる。)。在米国留学生の4人に1人が中国人留学生ということになる。
  一方、中国国内の大学入試「高考」の受験者数は2008年以降減少し続けている。試験の難しさと、米国大学の学位の方が中国における評価が高いということに理由がある。
  中国に進出した外資企業で管理職候補生として採用される要員も海外留学組が多くなっている。外資系企業において、外国人駐在員が管理職に就いている企業と中国人が管理職に就いている企業の割合は、現時点では半々程度のようだが、徐々に中国人管理職の割合が増えてくることは間違いない。このとき、海外留学した帰国組が外資企業の有望なターゲットになる。
  海外留学組に期待されるのは、外国語力は勿論だが、企業文化を理解し、コミュニケーション・スキルがあり、企業戦略を立案する力があることである。中国国内の大学では、こうした能力を身につける場があまりあるとは言えないのが現状である。企業文化は、個々の企業で異なるものの、それでも先進資本主義国の企業文化と言えるような概念も海外であれば学修し、体験することもできる。
  さて、日中両国の相互理解を促すためには、中国人大学生を日本に多数受入れることが重要である。
  中国日本商会と中日友好協会は、「走近日企・感受日本」というプロジェクトを実行している。中国人大学生を対象に、日本への研修視察を実施して企業・大学訪問や一般家庭でのホームスティを行うことで日本への理解を深めるというのがプロジェクトの趣旨である(http://www.jca40.org/event/authorized/detail/844.html)。
  2012年11月25から12月6日までの間、第11次「走近日企、感受日本」中国大学生訪日団の一行40人が日本に滞在した。中国人学生は、「中日両国は一衣帯水で、歴史と現実のさまざまな問題があるが、誠意をもって意思疎通をはかり、交流をすれば、問題は適切に解決されるはずだ。」と感じたようだ。 韓公使は次のように述べた。
  駐日中国大使館の韓志強公使は、中国人学生に対して「外国語に精通し、国際社会を理解するほか、より重要なのは広い視野と度量をもって、自分と違うものに適応し、それを受けいれ、差異と多様性をうまく乗りこなして、中華民族の再興隆のために自らの力を捧げることである。」と発言したそうである。
  麗澤大学外国語学部中国語専攻の学生も大半が中国に留学に行っている。留学先で中国語を学ぶのは勿論だが、それ以上に中国人学生やホームスティ先の家族、諸外国からの留学生との交流を通じて、多くのことを学んでいる。彼らが、来日した留学生とともに両国の良き力となることを期待したい。

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