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Last Update:2013/03/13
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第231回 未知数にやりがい:天津養楽多乳品有限公司

(2013年03月13日)

  2013年3月8日に天津養楽多乳品有限公司を天津理工大学に短期留学している麗澤大学中国語専攻ほかの学生4人を連れて訪問させて頂いた。学生諸君に中国の日系工場を見てもらい、日本人経営者からお話を伺わさせて頂くことが、将来の学生諸君のモチベーション向上になると考えるからである。筆者は、留学生がいる地方に行く際には、可能な限りこのようなアレンジをしている。
  以下は、同社の副総経理・工場長の長濱雄司氏から伺った話である。
  ヤクルトは、中国における3つの工場を有している。1番目の工場は、2002年に生産開始した「広州養楽多乳品有限公司」で、生産能力は80万本/日、広東省内に商品を供給している。2番目の工場は、2006年に生産開始した「上海養楽多乳品有限公司」で、生産能力は73万本/日、天津工場が生産を開始するまでは北京・天津・青島・済南・上海・南京・蘇州・杭州・寧波などに商品を供給していた。そして、3番目の工場が「天津養楽多乳品有限公司」である。
  天津養楽多乳品有限公司は、天津市の天津経済技術開発区(TEDA)に「ヤクルト」を生産する製造会社を設立し、2011年から生産開始している。華北、東北地区(北京・天津・青島・済南・瀋陽・大連など)への商品供給をしている。
  同工場の2012年の生産本数は1日当たり62万本、2013年には120万本、2014年には240万本、2014年には317万本を見込む。現在の工場を拡張する計画が進んでおり、2014年には天津第2工場棟が完成する。
  ヤクルトは、10年前には香港経由でわずかに9万本(1日当たり)が輸出されていただけであるが、今、280万本/日が飲まれている。長濱氏は、「日本では現在700万本/日で現時点の中国よりは数倍の消費量だが、5年後には中国における消費量が日本を追い超すのではないかとも考える。」と言う。
  機機械設備はすべて日本から輸入しており、自動化が非常に進んでいる。現在の従業員数は、100名であるが、それでも増産体制に向けて2014年には200名、最終的には300名体制にする計画である。労働者の採用難が言われているが、同社の場合には50人の募集に700人の応募があるそうである。日本人駐在員は3名であるが、今後は品質管理や工場案内要員として現地採用の日本人を数人採用したい考えでもある。
  長濱氏は、中国関係では台湾に4年間、広州工場に4年間勤務した経験があり、現在の天津工場では3年になる。「今、中国でヤクルトは特別の営業をしなくても売れる時期になっている。」「中国は、未知数である。中国で仕事をした方が日本にいて他の仕事をしているより面白いし、やりがいがある。」と言う。    

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