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Last Update:2013/11/12
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第247回 383改革方案=新たな改革の基本構想と行動計画

(2013年11月12日)

  最近、「383改革方案」ということが注目されている。正式には「新一輪改革的基本思路和行動方案」(新しい改革の基本構想および行動計画)という。これは、国務院発展研究センター課題チームが作成したものである。
  2013年10月26日に全国政治協商会議の兪正声主席が、南寧のシンポジウムの席上「新たな改革の範囲の拡大、強化はかつてないものになるだろうと発言した。これが383改革方案について言及された最初であった(第一財経日報 2013年10月28日)。
  383改革方案とは、如何なる内容のものなのか。18期3中全会では、具体的な改革の内容は示されそうにないと考えられているところ、本当に改革ができるのであろうか。改革は、2013年から2014年の短期改革、2015年から2017年の中期改革、2018年から2020年の長期改革の3段階に分けて行われると報告されている。
  以下、383改革方案について、概要を紹介する。
  383改革方案は、三位一体改革構想、8つの重点改革分野、3つの関連改革を結合させたものである。三位一体は、市場体系を整備し、政府の職能を転換し、企業体制を改めるという3つの方面で総合的な改革をするということである。筆者が前回のコラムで紹介した新四化のうちの1つである市場化を少し具体的に分類したようなものである。3つの関連改革とは、三位一体改革を以下に組み合わせて整序するかということである。そうであると、具体的には8つの重点改革は如何なる分野で行われ、具体的に如何なる改革をしようとするのかが重要な問題となる。そこで、ここでは8つの重点改革分野について簡単に取り上げる(中国共産党新聞網より)。
  (1) 管理体制:政府の行政許認可項目を大幅に減らす。融資、土地指標、生産数量などについて行政が直接干渉することを少なくし、マクロコントロールを行うことに留める。
  (2) 基礎産業:原油、製品油、天然ガスの輸入制限を開放し、これらの製品価格を政府が直接的に規定することを制約する。
  (3) 土地制度:農民集団に土地処分権、抵当権および譲渡権を認める。集団の建設用地が市場取引され、すでに区分所有権のような概念が実質的にあるのでこれを追認する。
  (4) 金融システム:10年内に人民元を国際化する。地方政府の金融機関に対する持株比率を大幅に減少させ、持分に応じた監督管理をさせる。
  (5) 財政体制:国民基礎社会保険制度を確立する。基本養老保険基金(基礎年金)は全国で統一した制度にする。不動産税(固定資産税)の試験範囲を拡大する。地方政府の税金以外の勝手な費用徴収を減らす。
  (6) 国有資産管理:国有資本と財政資金を含めた統一的な国有資産の損益計算書を作り、財政を管理する。
  (7) イノベーションの奨励:大学の自主権を拡大し、知的所有権の保護を強化する。
  (8) 渉外経済:エネルギー、通信、金融等の基礎産業も対外開放し、競争力のある投資者を誘致し、国内競争を活性化させる。中日韓自由貿易区を重点として、ハイスペックの自由貿易区を建設する。

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