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Last Update:2014/03/12
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第255回 2014年の中日関係

(2014年03月12日)

  2014年の中日関係は、1914年の中日関係でも、1984年の中日関係でもない。歴史と領土に関しては妥協の余地なし
  2014年3月8日に王毅外交部長は、外交政策および対外関係に関して記者会見をした。
  2013年に習近平国家主席と李克強首相は、22カ国を訪問し、また65カ国の元首および政府首脳が中国を訪問した。外国政府などと800項目に及ぶ協力協定を締結もした。王毅外相は、2014年も積極的な外交を行い、大国としての役割を果たすという。
  記者会見の質疑の全内容については、経済日報のウェブサイトで紹介されている。本稿では、この記者会見うち米中関係と日中関係に関する発言について紹介する(中国経済網 http://www.ce.cn/ztpd/xwzt/zhibo/wjbbzwy/index.shtml)
  (1) 中米関係
  中米関係は、非常に重要であり、また複雑でもある。2014年は中米国交35周年になるが、この35年間に中米対話、協力は一層深まっている。中米の新たな大国関係を築く上では、相互尊重が基盤となる。それぞれの主権と領土を尊重すること、それぞれの社会制度および発展の途を尊重しなければならない。中国は、米国とともにアジア太平洋地域の平和と安定を維持したいと願い、ともに協力しなければならない。アジア太平洋地区は、中米の新たな大国関係の実験地域となるものであると考えており、相互に争い合う場ではない。
  (2) 中日関係
  全人代政府活動報告において、李克強首相が日中の歴史問題に触れ、第二次世界大戦の勝利の成果および戦後の国際秩序を維持しなければならず、絶対に歴史を戻すことがあってはならないと発言したことを受け、「中日関係は第一次世界大戦前のドイツと英国の関係と比較する人もいるところ、王毅外相は今日の中日関係の難局を打開するにはどうすれば良いか」という日本人記者の質問に対して、王毅外相は、以下の通り回答した。
  “中日は隣国で、本来は仲むつまじくあるべきだ。現在の局面は我々も見たくない。両国人民の利益にもならない。
  1972年に中日両国が国交を正常化したとき、双方は歴史、台湾および釣魚島などの問題を妥当に処理し、重要な理解と共通認識を形成し、中日国交の前提を築き、両国の友好を回復する基礎を築いた。しかし、最近の日本の指導者の一連の言動は、中日国交正常化の精神に背き、中日関係の基礎を破壊するもので、中国人民は当然に承認できない。
  歴史と領土の2つの原則問題で妥協の余地はない。日本の一部の者が、執拗に当時の侵略の歴史を覆そうとするなら、国際社会および世界のすべての平和を愛する人々も容認し、寛容であることはないだろう。
  中日関係と第一次世界大戦前のドイツと英国の関係と比較する人もいることに関して、私は、2014年の中日関係は、1914年の中日関係でも、1984年の中日関係でもないことを強調したい。第一次大戦前のドイツのことを述べるより、第二次大戦後のドイツを手本にするべきだ。
  過去をまじめに清算し、約束を翻すようなことをやめれば、行き詰まりを脱し、未来を拓くことができる。ほんとうに平和の途を堅持し、口先でなく、行動で示すことで、隣国および世界の信任を得られる。日本の指導者がこの基本的道理をよく理解し、人類の良知と国際公理の底線を尊重することを希望する。”

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